呼び込め、訪日外国人 復興庁がモニターツアー タイ人観光客が大船渡へ

▲ 大船渡市内の観光を楽しむツアー参加者たち

 震災復興のためのインバウンド増加を目指す復興庁のモニターツアー「東北UTSUKUSHIの旅」の一環で12、13の両日、タイからの観光客が大船渡市内を巡った。市内外の観光関係者らが観光スポットや海の幸をPRし、外国人観光客の反応を確認しながら、今後の観光モデル構築の参考とした。
 復興庁では、県内陸の東北新幹線や東北自動車道を中心としたアクセスのいい周辺エリアにインバウンド需要がとどまっており、沿岸地域への波及、特に観光プログラムづくりと交通網が課題であるとして、内陸と沿岸地域の事業者が「チーム化」し、コンテンツ造成とPRを展開する体制を構築することで、課題解決と同時に持続的な交流人口拡大モデル創出を目指している。
 この取り組みの一環として、世界遺産平泉を要する内陸から、沿岸部までのインバウンドの導線を構築するために沿線の観光プログラム「東北UTSUKUSHIの旅」の造成を行っている。今回は、東北との直行便が就航したタイをはじめ諸外国人が参加してのツアーを企画した。
 今回、宿泊・飲食・旅行業を手がける㈱イーハトーブ東北や一関・平泉DMO、大船渡市観光物産協会などが連携し、既存のプログラムを活用した周遊モデルを提案した。
 ツアーに参加したのは、タイ在住のリーさん(46)、ビームさん(28)、タイトルさん(28)の3人。
 12日に大船渡町の産直施設「海の幸ふるまいセンター」や大船渡市魚市場、キャッセン大船渡、かもめテラス、13日には末崎町の碁石海岸、世界の椿館・碁石、地元鮮魚店などを訪問。大船渡が誇る海の幸に舌鼓を打ったほか、リアス式海岸が織りなす絶景も楽しんだ。
 市内各地を回った3人は「シーフード、特にタイと比べてホタテが大きくて、おいしかった」「中心市街地がきれいで、外国人にとっていい印象があると思う」などと感想を述べ、「ぜひ、また来てみたい」と声をそろえた。
 同協会では「沿岸はインバウンドが少ないので、これを機に沿岸にも外国人観光客を呼び込んでいければ」と話している。