改選後初の住民懇終了 未償還金問題の経過説明も 住田町議会

▲ 最終日に世田米・愛宕公民館で行われた懇談会

 住田町議会(瀧本正德議長、12議員)による本年度の「住民と議員との懇談会」は、22日夜で全日程を終了した。改選後初開催で、防災体制や町が抱える木工2事業体の融資未償還金問題などについて意見を交わした。各議員は、住民から寄せられた声をふまえ、来月開会する12月定例会の論戦に臨む。
 懇談会は町政振興と議会活性化のため、町民との積極的な対話を通して地域の意見や提言を聞き、町政に反映させようと毎年開催。各公民館と議会町政調査会が共催した。今月15日から自治公民館や町内会単位ごとに8会場を回り、町議3〜4人が訪問した。
 最終日の22日は、世田米の愛宕公民館と上有住の坂本自治公民館で開催。このうち、愛宕公民館には瀧本議長と阿部祐一、佐々木信一、水野正勝各議員が訪問し、住民10人が出席した。
 住民からは、先月の台風19号に伴う避難行動をふまえた防災分野の発言が多かった。「避難所となる町役場や社会体育館に向かう際は、気仙川を渡らなければならない」との指摘をはじめ、地域内で避難者を受け入れる公民館機能の強化を求める声が出た。
 また、気仙川の護岸機能の強化を訴える住民も。「全町に有線の光ファイバーが整備されているが、町内はどこもラジオが難聴地帯。停電時の情報源として避難用のリュックサックにラジオを入れていても、活用できない」との意見もあった。
 また、複数の会場で、世田米の木工団地を形成する三陸木材高次加工協同組合と協同組合さんりくランバーから未収状態が続く総額10億円超の町債権問題が話題となった。両事業体は9月、町に経営分析に関する書面提出を行っており、議員側はその後の動きについて、全員協議会での当局説明などをもとに解説した。
 この中で、両事業体は先月、返済計画に関する書面を出したが、町当局はより具体的な内容を求め、双方がやり取りを重ねている現状を報告。さらに、事業体からの書面に記載された数値や見通しの整合性がとれているかなど、公認会計士らにも依頼しながら精査を進めるとの当局方針も示した。
 4会場を回った瀧本議長は「今回は防災に関する話題が多かった。先月の台風19号では、住田で甚大な被害はなかったが、住民の関心は高い。道路分野の要望も目立った」と話していた。