佐々木投手(大船渡高)ロッテと正式契約 大船渡で記者会見
令和元年12月1日付 1面

新人最高額、背番号は「17」に
「沢村賞が目標」と意気込む
プロ野球の千葉ロッテマリーンズからドラフト1位指名を受けた高校生最速163㌔右腕、大船渡高校3年の佐々木朗希投手(18)は11月30日、大船渡市大船渡町の大船渡プラザホテルで球団と正式契約を結んだ。契約金は1億円プラス出来高払い5000万円、年俸は1600万円(いずれも推定)と、新人としては最高額での契約となり、球団の期待の高さをうかがわせた。注目の背番号は「17」に決定。記者会見で佐々木投手は「沢村賞が目標」と、プロの世界での活躍に意気込みを見せた。
佐々木投手はこの日、母・陽子さん(46)とともに契約交渉に臨んだ。球団からは松本尚樹球団本部長(49)、永野吉成チーフスカウト(51)、柳沼強担当スカウト(45)らが出席し、交渉の結果、新人としては最高額となる契約内容で合意した。
その後、同ホテルの「飛翔の間」で記者会見が行われ、佐々木投手と松本本部長、柳沼スカウトが登壇。約50人の報道陣が詰めかけた中、はじめに松本本部長が「佐々木投手と無事に契約させていただいた。ロッテ、日本のエースになってほしい」とあいさつ。「将来、170㌔のスピードを出してほしい」との思いを込めて、佐々木投手の背番号を「17」に決めたことも明らかにした。
報道陣から現在の心境を聞かれた佐々木投手は「まだ実感は湧かないが、これから厳しい世界に入るので、一生懸命頑張っていきたい」と決意を新たにした。契約金や年俸については「これまで見たことのない金額。(球団からの)期待を感じた」と語った。

「経験」と記した色紙を手にロッテの菓子とともに記念撮影
背番号については「偉大な先輩方がつけてきた番号。番号に見合った活躍をできるように頑張りたい」とし、「チームの一員として日本一を目指す。(シーズンで最も優れた先発完投型投手に授与される)沢村賞が目標」と意気込んだ。
佐々木投手は、球団ユニホームを着ての写真撮影のあと、プロ1年目の目標として色紙に「経験」と記入。「大きく羽ばたくためにいろいろな経験をしたい」と成長を誓っていた。
陸前高田市高田町出身の佐々木投手は、高田小、猪川小、大船渡一中と進み、大船渡高に進学。1年夏の県大会で球速147㌔を、2年時には150㌔台をマークし、今年4月には「WBSC U─18ベースボールワールドカップ」日本代表の研修合宿で高校生最速の163㌔を記録した。
今夏の県大会では4試合に登板し、圧巻の投球で大船渡の準優勝に貢献。8月には韓国で開かれた同ワールドカップにも出場した。
10月17日のドラフト会議では、北海道日本ハムファイターズ、千葉ロッテ、東北楽天イーグルス、埼玉西武ライオンズが佐々木投手を1位指名。パ・リーグ4球団の競合となり、抽選の結果、千葉ロッテが交渉権を獲得した。
球団スカウトは、佐々木投手を「ワールドクラスで無限大の可能性を秘めた大型右腕」「スピードはもちろん、低めに集められる制球力の高さも魅力。球種も多彩で精度も非常に高い」と評価する。
新人選手の入団会見は9日(月)、千葉県の球団本部で行われる。