携帯「ながら運転」きょうから厳罰化 反則金は3倍に引き上げ 大船渡署がルール順守を喚起
令和元年12月1日付 1面
スマートフォンや携帯電話を使いながら車を運転する「ながら運転」を厳罰化した改正道路交通法は、1日に施行された。法改正は全国的に「ながら運転」に起因する事故が増加傾向にある事態を踏まえたもので、懲役刑を重くし、反則金は従来のおよそ3倍に引き上げ。違反点数も上げ、1度の違反で免許停止となるケースもある。大船渡署は交通指導取締りを強化するとともに、安全運転の徹底を呼びかけている。
「一発免停」の対象にも
近年、スマートフォンの普及とともに「ながら運転」の事故は全国で増加傾向にあり、重大事故も発生している。警察庁によると、平成30年にスマートフォンを使うなどして起きた事故件数は2790件で、10年前の約2・1倍。死亡事故の割合は「スマートフォンなど使用なし」の2倍を超え、危険度がうかがえる結果が浮き彫りとなった。
改正道交法では、運転中に携帯電話で通話したり、画面を注視する違反「携帯電話使用等(保持)」の違反点数を従来の1点から3点に、同様の行為で人を死傷させるなど交通の危険を生じさせる違反「携帯電話使用等(交通の危険)」を2点から6点に引き上げた。
このため、「携帯電話使用等(交通の危険)」は「一発免停」の対象となる。さらに、反則金を納付すれば刑事責任を免れる交通反則通告制度の対象外となり、罰則はこれまでの「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」から「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に厳罰化された。
また、ながら運転を行っただけの「携帯電話使用等(保持)」も罰則を強化。「5万円以下の罰金」から「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」と、懲役刑が加えられた。反則金も引き上げ、大型車が7000円から2万5000円に、普通車が6000円から1万8000円に、二輪車が6000円から1万5000円に、原動機付自転車が5000円から1万2000円となった。
県警や大船渡署によると、今年10月末現在の全県における「携帯電話使用等」の違反摘発件数は2812件で、前年同期比497件減。このうち、同署管内は93件で、前年同期よりも8件少なくなっている。
同署は法改正を受け、交通指導取締りを強化する。運転しながらカーナビやテレビを見る行為も事故などを起こした場合、「携帯電話使用等(交通の危険)」に含まれ、注意を促す。
同署交通課の村上裕樹課長は「『ながら運転』は、運転上の認知、判断、回避行動いずれも遅れが生じ、重大事故につながる可能性が高くなる。運転中に携帯電話を操作しない、見ないというのは当たり前のルール。厳罰化を機にいま一度スマートフォン、携帯との付き合い方を見直し、安全運転の意識を高めてほしい」と注意を喚起する。