校名は「おおふなと」に 新中学校の名称決める 大船渡・末崎統合推進協

▲ 統合後の新校名を決めた大船渡・末崎統合推進協

 大船渡市の大船渡・末崎地区学校統合推進協議会(大和田洋太郎会長、委員24人)の第5回会議は4日夜、大船渡町のおおふなぽーと(防災観光交流センター)で開かれた。大船渡、末崎両中学校の統合による新校の名称選定が行われ、保護者代表委員らによるPTA部会の協議結果を踏まえ、「おおふなと中学校」に決めた。新校名は今後、市教育委員会での承認と市議会での議決を経て、正式決定する見込み。

 大船渡、末崎両中学校の統合は、市教委が策定した市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画に基づき、保護者間や学区地域での話し合いを経て決定。新設統合となり、各校は令和2年度末で閉校し、3年4月から現在の大船渡中校舎で新たな歴史を刻む。
 同協議会は、新校の校名や校章、校歌の選定、通学の安全確保などを検討するため、今年6月に設置された。10月の第4回会議では、児童生徒や保護者へのアンケート結果、回答者から寄せられた校名案から候補を選び、出席委員の投票で「大船渡南」「大船渡みなと(港)」「大船渡」の3点にしぼっていた。
 第5回には、委員全員とオブザーバーの地元市議、小学校長、中学校副校長、市教委の小松伸也教育長、金野高之学校統合推進室長らが出席。小松教育長のあいさつに続き、統合後の校名に関する協議に入った。
 大和田会長は「子どもたちに、校名に込めた意味や選考の方法などを分かりやすく伝え、受け継がれていくことが大事」と述べ、名称候補について委員らから発言を求めた。
 この中で、「大船渡」を支持する委員からは、「アンケートでは大船渡、末崎を合わせて半分以上の子どもたちが『大船渡』と回答している。子どもたちの意見を尊重したい」「町の枠組みを超えて一丸にならなければ。大船渡市に大船渡小、大船渡高があるのに、大船渡中が欠けてはならない」「市の中心にあるまちで、地域や子どもたちにもなじみがある。ほかの名前では今までの伝統、歴史が途絶えてしまう」との声が寄せられた。
 一方、「大船渡南」を希望する委員からは「どちらも一度は閉校し、新しい学校になるので新しい校名がふさわしい」「新設統合であれば、大船渡、末崎ともに旧名になる。一緒に手をつないで頑張っていくのであれば、『大船渡南』の方が伝わるのではないか」「アンケートには、末崎の子を思いやって新校名を支持する意見や、『どちらかの校名にすると不公平になる』などとの回答もある。少数かもしれないが、そういう思いも大切にしてほしい」といった発言があった。
 オブザーバーの意見も交え、「大船渡」か「大船渡南」かの議論がなされる中、委員の一人が「親の立場であるPTAのみで部会を開き、意見を一つにしたい」と提案。
 大和田会長の任命により、両地区の小中PTA、保育園保護者代表ら16人からなる「PTA部会」が設けられ、協議を一時休会し、非公開で同部会がもたれた。
 協議終了後、同部会がほかの委員やオブザーバーらに結果を報告。「いろんな意見があったが、最終的に部会員の投票で決定することとし、校名は大船渡中学校になった。また、意見の中で『大船渡をひらがなではどうか』という声があり、投票で多かったひらがなの『おおふなと』をPTA部会として推進協議会への決定事項に上げたい」とした。
 委員から反対の声はなく、新校名は「おおふなと」に決定。名称は今後、市教委定例会での承認、市議会での議決を経て正式決定となる見通しという。
 協議会は今後、1月中旬から下旬に次回会議を開き、校章や校歌の選定を進める予定としている。