「住田を生かす」多彩に 地域創造学プロジェクト報告会 世田米中(別写真あり)

▲ アドバイザーとして訪れた住民らを前に発表する生徒たち

 住田町立世田米中学校(及川賢一校長、生徒62人)は6日、町独自の新設教科「地域創造学」を通じて住田の魅力を生かす活動を展開してきた成果を示す報告会を開催した。パンフレットやカレンダーなどを示しながら、アドバイザー役を務めた住民や保護者らと意見交換。自らの活動を振り返りながら、さらに地域について調べ、発信する意欲を高めた。

 

発信・制作の成果披露

 

 独自教科の新設は、文部科学省による研究開発学校事業の一環。平成29年度に世田米小、有住小、世田米中、有住中、県立住田高校の計5校が指定を受けた。教育実践の中で浮かび上がる諸課題、時代に対応した新しいカリキュラムや指導方法の開発を目指し、学習指導要領等の国の基準によらない教育課程を編成・実施できる。
 町内各学校の時間割には前年度から「地域創造学」が組み込まれ、地域資源を生かした社会的実践力などにつながる授業が行われている。世田米中では、5月の運動会以降、観光パンフレットなど資料活用や他地域との比較などを通じて、改めて住田の良さを確認。生徒たちが感じ取った魅力を生かした実践プランをまとめてきた。
 この日の報告会には、各プランに対して助言を得ようと、農林業や食文化、地域活性化、情報発信に詳しい町内外の住民12人をアドバイザーとして招待。活動に協力した住民や町議、保護者にも公開された。
 発表されたプラン数は約20で、数人のグループごとにその内容を紹介。1年生はニュースポーツのクッブや、チェーンソーアートの活動を展開する杣遊会、地元で生産された鶏肉を加工する住田フーズ、種山を舞台としたケセンロックフェスティバルの発信に向けた取り組みの成果などが示された。
 このうち、1年生の吉田春香さん、迎由那さん、菅沼蓮君のグループによる住田フーズに関する発表では、従業員にインタビューした内容などをパンフレットにまとめるまでの流れを説明。写真や絵、記号などを織り交ぜながら分かりやすく構成した工夫などを伝えたうえで、意見交換を行った。
 迎さんは「意見をいただいたことで、社員さんの願いなどをしっかりとまとめ、誰が読んでも興味を持ってもらえるような内容にしなければと思った。来年以降の取り組みにつなげていきたい」と話していた。