気仙の魅力どうとらえた? 台湾の旅行会社関係者 3市町や事業者らと意見交換 大船渡で(別写真あり)

▲ 台湾の旅行会社関係者らが気仙の観光事業者らと意見を交換

 大船渡市、陸前高田市、住田町が主催する「外国人観光客受入体制整備事業及び外国人観光客向け観光ルート造成事業」の意見交換会は6日夜、大船渡市の大船渡プラザホテルで開かれた。3市町が台湾の旅行会社関係者らを対象に4日から7日まで実施した「招請ツアー」の参加者らが、実際に気仙の魅力をどのようにとらえ、今後の旅行商品開発に生かせるかなどを提言。参加した各市町や観光事業者らは質問を投げかけながら、外国人観光客受け入れのあり方を探った。


招請ツアーに参加

 

 気仙3市町は本年度、外国人観光客らに気仙地域の認知度を向上させ、地域資源を含む魅力の発掘・発信をしようと両事業を展開。各市町の観光に関連する事業者らが9月と11月にワークショップを行い、観光ルート造成に向けた取り組みを進めている。
 招請ツアーは事業の一環として企画され、台湾から台中旅行組合理事も務める全冠旅行社の陳惠珠(チンケイシュ)さん、星錡(せいき)国際旅行社の李瓊如(リチョンジュ)さんと江侑蓁(チャンヨウツェン)さんが参加。ワークショップの内容をもとに、3市町の観光地や体験スポットを巡り、海の幸、山の幸も味わった。
 意見交換会はツアーの中に盛り込まれ、気仙の観光、旅行等事業関係者ら20人余りと、ワークショップで講師を務める後藤直哉氏(㈱MAKES代表取締役)らが参加。開会行事後に陳さん、李さん、江さんが自己紹介を行い、意見交換に移った。
 昨年に続く気仙訪問となった陳さんは、「ここでは東日本大震災があったが、台湾では報じられない今の被災地の姿を見られた」と再訪を喜んだ。一方で、「われわれが視察に来るのはいいが、皆さんも台湾に来て、観光客にPRすべき。来年4月には大規模な旅行博覧会がある。行政と民間で力を合わせ、できる限り参加してほしい」と呼びかけた。
 李さんも1年ぶりの来仙となり、「三陸は海の幸が有名だが、台湾の人は半分ぐらいが普段生ものを口にしない。特に冬は刺し身が冷たく感じ、温かい料理が少ないとおなかも心も寒い印象を受ける」と指摘。「しかし、海鮮料理は人気。海の幸をうまく利用しての誘客は可能だと思う」と述べ、陸前高田市で視察したリンゴ園、海中熟成酒体験の活用にも期待を込めた。
 江さんは、今回が初めての気仙。ツアーガイドとして観光客と接する立場から、移動にかかる時間や交通機関、食事の選び方などの課題を挙げて一考を求めた。
 また、「コースの中でお客さんが好きなのは、雪と紅葉、サクラ、寺。日本の文化が見られる寺に行かないと、日本に来た気がしない。コースに組み込んでもらいたい」などと語った。
 気仙の出席者は、「目玉や売りにした方がいいものがあれば教えてほしい」「震災について、展示物だけでなく個人から話を聞きたいと言われるが、語り部ガイドに興味はあるか」などと質問。台湾の3人はプロの立場からの厳しい指摘も交えながら、台湾などの外国人観光客対応に必要な点、発信すべき気仙の魅力などを示した。
 大船渡市観光推進室の千葉譲室長は「意見を十分に受け止めて気仙の良さをさらに磨き上げ、3市町が連携して外国人観光客の拡大につなげたい」と話していた。