「かもめの玉子」金賞獲得 おもてなしセレクション 味や〝日本らしさ〟など評価
令和元年12月18日付 3面

日本独自の魅力である〝おもてなし〟の心あふれる商品やサービスを発掘して国内外に発信するプログラム「OMOTENASHI Selection2019」(OMOTENASHI NIPPON実行委主催)で、大船渡市のさいとう製菓㈱(齊藤俊満社長)が製造し、岩手を代表する銘菓として知られる「かもめの玉子」が最高賞に当たる金賞を獲得した。味はもちろん、見た目や季節に合わせた商品展開が高評価を受けており、国内外に向けた今後の商品展開への弾みとなりそうだ。
同プログラムは平成27年に始まり、例年約500件の応募が寄せられている。これまで計464件の商品・サービスを認定して国内はじめ世界各国へ向けて広報活動と販路の開拓を行ってきた。
5年目を迎える今回は、東京五輪などで世界の注目が日本に集まる来年に向け、選定プロセスをより海外へ目を向けた内容に変更。
書類による1次審査のあと、アジアや中東、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど出身の日本在住外国人選定員らと日本人の専門家による現物評価形式の2次審査を行い、金賞28件、特別賞7件を含む計103件が表彰された。
「初代」のかもめの玉子は昭和27年に発売以来、定番のみやげ物として愛され続けている。
2次審査では「日本らしさ」「世界に伝わる」「適正価格」といった指標で審査が行われ、かもめの玉子に対して、各国の選定員からは「これぞ日本の和菓子のクオリティーという感じ」「とても日本を感じさせる商品。風味、質感、パッケージ、すべてが美しい」といった声が上がった。
かもめの玉子は、季節ごとにフルーツ味の商品を期間限定で販売しており、今回は四季をイメージしたシリーズ4種を応募。それに対しても「日本の四季を感じさせる完璧な商品」などといった高い評価を受けた。
受賞商品には今後、国内外での販売催事や展示・商談イベントへの参加機会などが与えられる。
同社総務部企画課の佐藤徳政さん(38)は「新たなファンを獲得していくためにも、さらにおもてなしの気持ちを持って取り組んでいきたい。店舗の方でも、海外からのお客さんが来ても商品説明などをできるよう、今回の受賞を機にインバウンドにも少しずつ力を入れていきたい」と意欲も新た。「観光業者などとも連携しながら、商品を通してこの地域や岩手、東北の魅力を発信していければ」と力を込める。