〝連携重視〟の素案示す 来年度からの総合計画 推進委員会で議論 住田町

▲ 10月以来の開催となった総合計画推進委員会

 住田町による第2回町総合計画推進委員会(委員長・大杉覚首都大学東京教授、委員17人)は20日夜、役場町民ホールで開かれ、町側が令和2~6年度を期間とする次期総合計画の素案を示した。重点施策に「医・食・住」を掲げ、各分野に添った政策やアクションプランなどで構成。「小さい町」の強みである分野を超えた連携を重視するほか、国連加盟国が取り組む「持続可能な開発目標(SDGs)」への対応も盛り込んでいる。
 総合計画は、中長期的な視点で町づくりの方向性を定めるもの。国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて国から策定を要請されている「地方版総合戦略」の内容を含む。
 新たな計画策定に向け、本年度から委員17人による推進委員会の新任期がスタート。推進委員会は10月以来の開催で、委員14人と事務局の町企画財政課職員らが出席した。
 この日は、庁内推進会議や部門別の検討などを経て取りまとめた素案をもとに議論。基本理念は「豊かな緑と水に育まれ、安らぎとにぎわいが調和する、共生のまち 住田」としている。
 11月末の町人口は約5400人で、年間約100人ペースで人口減少が続く。人口ビジョンでは、本年度までを期間とする現計画と同様に「2040年(令和22年)に4000人」を目標とする。重点施策は、神田謙一町長が就任以降掲げる「医・食・住」とし、各分野に添った施策の方向性も定める。
 「医」では、医療資源不足を補う健康まちづくり推進事業を展開し、医療費抑制や介護サービス費の低減を図る。「食」では食産業推進による雇用の場創出などを見据え、「住」では魅力ある住まいの供給や既存家屋活用などを目指す。
 町では「従来取り組んできたことの延長といった部分が多いが、小さな町の強みである担当課や分野を超えた『横の連携』を生かし、着実に歩みを進めたい」としている。
 施策に関しては、町内小中高校の独自教科・地域創造学を生かした教育活動や、地域ぐるみの防災体制の推進を明記。都市部と同程度のインターネット回線が利用できる環境を生かした多様な働き方を受け入れる取り組みも進める。
 また、今計画では、各政策分野とSDGsが掲げる17のゴール(国際目標)の関連づけも明記する方針。世界的な課題解決との結びつきも意識した施策展開を目指す。
 委員の一人は「計画実現に向けて、庁内連携のあり方などがどうあるべきかの記載も必要では」と指摘。専門家や各種施策に関連する組織の活用に関する表現を加えるよう求める意見も出た。
 次期総合計画は年度内の取りまとめを目指す。庁内検討などを経て、次回は来年2月28日(金)に開催する。