2019気仙この1年/記者の取材ノートより【総集編】

▲ 土地区画整理事業の基盤工事完了を記念し「第4期まちびらき」を開催)=大船渡市(4月)

2019年きょう閉幕

「平成」から「令和」へ、復興事業は最終盤に

 

 天皇陛下の退位、皇太子さまの新天皇即位により「平成」から「令和」へと移り変わった2019年も残すところきょう1日。改元という大きな歴史の節目が刻まれたこの一年、気仙では、東日本大震災からの復興事業が最終盤を迎え、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に国営の追悼・祈念施設や新道の駅「高田松原」、震災津波伝承館がオープンした。高校生最速163㌔右腕・佐々木朗希(大船渡高)のドラフト1位指名と千葉ロッテ入団など明るい話題も多かった2019年のニュースを月ごとにピックアップし、気仙の今年を振り返る。

(文中年齢、肩書きは当時)

 

1月

 ▽第44回東海社会文化賞に、地元を盛り立てるためのそば作り活動を続ける陸前高田市矢作町馬越地区の女性有志と、豊かな森林の魅力などを広く伝え続ける住田町の自然ガイド「すみた森の案内人の会」の2団体が決定
 ▽大船渡市が発注した簡易水道事業の業務委託を巡り、大船渡署と県警捜査第二課が同市職員を収賄容疑、同市の会社役員を贈賄容疑で逮捕し、同市役所などを家宅捜索

 ▽東日本大震災津波で校舎が被災し、高台移転した気仙小学校の新校舎が落成

 

2月

 ▽任期満了に伴う陸前高田市長選で無所属現職の戸羽太氏(54)=高田町=が、元県企画理事で無所属新人の紺野由夫氏(59)=横田町=をわずか5票差で破り連続3選
 ▽住田町世田米の中心市街地で町による定住促進空き家活用住宅の整備本格化
 ▽森林管理の担い手増加を図ろうと、住田町に地域おこし協力隊員らによる「すみた山守育成プロジェクト」発足

 

3月

 ▽東日本大震災発生から8年、気仙各地で犠牲者の追悼行事
 ▽三陸沿岸道路「吉浜釜石道路」と「唐桑高田道路」が全線供用開始され、釜石市─宮城県気仙沼市間が高規格道路でつながる。東北横断自動車道「釜石花巻道路」も全線開通
 ▽三陸鉄道リアス線開業、盛―久慈の163㌔を一本化
 ▽気仙両市の被災農地がすべて復旧し作付け可能に

 

4月

 ▽政府が天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位に伴う新元号を「令和」とすることを発表
 ▽大船渡警察署港交番(旧・大船渡駅前交番)と同赤崎駐在所が運用開始。東日本大震災津波で被災した同署管内の交番・駐在所がすべて復活
 ▽第22回木材活用コンクールで住田町が整備した大船渡消防署住田分署が最優秀賞にあたる農林水産大臣賞を受賞
 ▽仮設住宅が建設された気仙両市の小中学校と高校計16校の校庭すべてが使用再開に至る
 ▽陸前高田市が高田町下和野地内(高田小敷地)で新庁舎建設に着手
 ▽大船渡駅周辺地区での土地区画整理事業の竣工と「夢海公園」の完成を記念し、大船渡市が「第4期まちびらき」催す

 ▽天皇陛下退位、「平成」に幕

 

5月

 

 ▽皇太子さまが新天皇に即位、「令和」がスタート。気仙も祝賀ムードに
 ▽大船渡市で囲碁七大公式タイトル戦の一つ、本因坊決定戦第1局が行われる
 ▽文化庁が陸前高田市、平泉町、宮城県涌谷町など2市3町の〝金〟にまつわる歴史・文化がまとめられた「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金のはじまりの地をたどる―」を「日本遺産」に認定
 ▽大船渡市発注の簡易水道事業業務委託を巡る贈収賄事件で、収賄側の元同市職員に懲役1年6カ月、執行猶予3年と追徴金30万円、贈賄側の同市の建設会社役員に懲役1年、執行猶予3年の判決
 ▽大船渡市内に整備された仮設住宅から全世帯の退去完了

 

6月

 

 ▽気仙など沿岸地域を舞台とする総合的な防災復興行事「三陸防災復興プロジェクト」開幕 

 ▽陸前高田市に市、商工会などが共同出資したまちづくり会社「陸前高田ほんまる㈱」が誕生
 ▽陸前高田市、同市の㈱長谷川建設などが地域電力会社「陸前高田しみんエネルギー㈱」設立

三陸防災復興プロジェクトに合わせ、住田町役場内に木造仮設住宅を整備=住田町(6月)

7月

 

 ▽大船渡市三陸町の綾里海水浴場で震災後初の海開き
 ▽令和初の国政選挙となった参院選の岩手選挙区で、4野党が推薦した無所属の横澤高徳氏(47)が自民党公認、公明党推薦の3期目の現職・平野達男氏(65)らを破って初当選
 ▽全国高校野球選手権岩手大会でプロ注目の高校生最速163㌔右腕・佐々木朗希投手擁する大船渡が準優勝。35年ぶりの甲子園出場がかかった決勝戦で佐々木投手を登板させなかった采配に賛否両論がわき起こる
 ▽大船渡選挙区選出の県議・田村誠氏(70)=赤崎町=が勇退を表明

 

8月

 

 ▽任期満了に伴う県議選告示、陸前高田区は自民党公認の現職・佐々木茂光氏(61)が前回選に続き無投票で3選
 ▽県立住田高校で来年度から、県外在住の生徒を受け入れることを県教委が発表

 

9月

 

 ▽昭和63年に始まった佐々木七恵氏顕彰大船渡ポートサイドマラソン大会が30回開催の歴史に幕
 ▽定数を8上回る激戦となった陸前高田市議選(定数18)で現職13人、新人4人、元職1人が当選。女性議員は史上最多の4人に
 ▽任期満了に伴う県議選の大船渡区で、元市議の新人・千葉盛氏(36)=無所属=が、同じく元市議の新人・伊藤力也氏(59)=同=を3677票差で破り初当選
 ▽任期満了に伴う県知事選で、野党4党が推薦する無所属の現職・達増拓也氏(55)=3期=が、自民党と公明党県本部推薦の新人・及川敦氏(52)を24万票余の大差で破り4選
 ▽任期満了に伴う住田町議選(定数12)で現職11人と新人1人が無投票当選。同町議選での無投票は前回に続き2回目
 ▽東日本大震災で被災した気仙の34漁港がすべて機能復旧
 ▽陸前高田市に整備される「高田松原津波復興祈念公園」内の国営追悼・祈念施設の一部、震災津波伝承館、道の駅「高田松原」がオープン

 ▽秋篠宮ご夫妻が7年ぶりに大船渡市を訪問され、市内の復興状況をご視察
 ▽サンマの不漁続く

高田松原津波復興祈念公園の一部がオープンを迎えた=陸前高田市(9月)

10月

 

 ▽大船渡市と住田町が定住自立圏形成協定を締結
 ▽「過去最強クラス」と例えられた台風19号により、土砂の崩落や水産業関連施設などへの被害相次ぐ
 ▽プロ野球ドラフト会議で、大船渡高の佐々木投手をパ・リーグ4球団が1位指名。交渉権は千葉ロッテマリーンズが獲得
 ▽主に外食産業を展開するワタミグループが、陸前高田市気仙町今泉北地区の津波被災跡地での農業テーマパーク整備で市と協定を締結

 

11月


 ▽大船渡商工会議所の新会頭に米谷春夫氏=㈱マイヤ代表取締役会長=就任
 ▽JR東日本が大船渡線BRT区間の鉄道事業廃止を届け出
 ▽アワビの資源不足を背景に、綾里、越喜来、広田湾の各漁協が漁の見送りを決定
 ▽秋サケが記録的な不漁に
 ▽令和4年の第73回全国植樹祭の会場が高田松原津波復興祈念公園に決定。天皇皇后両陛下によるお手植えなども行われる見通しに
 ▽大船渡高の佐々木投手が千葉ロッテと契約

 

12月

 

 ▽大船渡市三陸町吉浜の住民有志が、地元で民間企業が計画する太陽光発電所をめぐって市に建設反対の署名を提出
 ▽2020東京オリンピックの聖火リレーについて、大会組織委員会がルートを発表。気仙は来年6月18日に大船渡、陸前高田両市を走ることに