地域発展へ思い一つに 気仙3市町で開催 令和最初の新年交賀会(別写真あり)
令和2年1月7日付 1面

官公庁や多くの民間事業所で令和最初の仕事始めを迎えた6日、気仙2市1町ではそれぞれ、年頭あいさつの場となる新年交賀会が開かれた。官民各界の代表らが一堂に会し、東日本大震災からの早期復興、人口減少や少子高齢化など山積する課題の解決と地域発展に向けて思いを一つにした。
官民一丸となって「総仕上げ」へ
大船渡
大船渡市の新年交賀会は、大船渡町の大船渡プラザホテルで開かれた。約220人が出席し、市の復興計画が最終年度を迎える中で、官民が一丸となって復興の「総仕上げ」に取り組み、さらなる発展を目指していこうと誓い合った。
交賀会は、市、大船渡商工会議所、市農協、市水産振興連絡会、市各種女性団体連絡協、大船渡青年会議所が共催。開会を前に、同市の観世流梅若「鴎謡会」が『高砂』を披露し、会場に花を添えた。
出席者らは、全員で東日本大震災の犠牲者らへ黙とう。その後、大船渡青年会議所の山口康玄理事長が開会を告げた。
主催者を代表し、戸田公明市長があいさつ。冒頭、昨年発生した市職員の逮捕事件に触れ、再発防止と市民からの信頼回復を誓った。
また、「令和2年度は市復興計画の最終年度。復旧・復興の加速に努めたい」とし、災害に強いまちづくりや地方創生、国際リニアコライダー(ILC)の北上山地への誘致実現などにも意欲を示しながら、「市の将来都市像『ともに創る 三陸の地に輝き躍動するまち大船渡』の実現のため、市政運営に全力で取り組んでいく」と述べた。
千葉盛県議、県沿岸広域振興局の杣亨副局長、大船渡水産振興連絡会の庄司尚男会長が祝辞。それぞれ早期復興や、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた地域振興、産業の発展などを祈念した。
主催者や来賓らが鏡割りを行い、大船渡の復興と、今年一年の発展を祈願。大船渡商議所の米谷春夫会頭による発声で乾杯し、出席者らは新年のあいさつを通じて交流を深め合った。
最後は、熊谷昭浩市議会議長の音頭で万歳三唱。出席者らは復興の総仕上げと地域振興に向け、一層の協力、連携を図っていた。

新年を祝う「祝賀の舞」の披露も=陸前高田市
交流人口拡大へ取り組み加速を
陸前高田
陸前高田市の新年交賀会は、高田町のキャピタルホテル1000で開かれた。昨年は、東日本大震災犠牲者の追悼や教訓の伝承、力強い復興を発信する「高田松原津波復興祈念公園」の主要施設がオープン。出席者は着実な進展を喜び合いながら、交流人口拡大への思いを一つにした。
市と陸前高田商工会、大船渡市農協、陸前高田市森林組合、広田湾漁協、陸前高田ロータリークラブ、陸前高田ライオンズクラブ、市地域女性団体協議会、市各種女性団体連絡会、陸前高田青年会議所、市コミュニティ推進協議会連合会が主催。この日は、各界から約200人が出席した。
主催者を代表し、市地域女性団体協議会の菊池清子会長が「今後も安心安全で生き生きと暮らせるまちづくりのため、女性の視点で行動に移す」と述べた。
戸羽太市長は年頭あいさつで、津波復興祈念公園内の道の駅「高田松原」、震災津波伝承館、国営追悼・祈念施設の一部が開業・開館したことに触れ「今年は、高田松原エリアを訪れた方々をどのようにして市中心部に誘導するか、経済に結びつけていくかが問われる年となる。皆さまのアイデアをいただき、『協働』を実践しながら市民の幸せ向上に努める」と力強く語った。
自民党総務会長の鈴木俊一衆議院議員は「復興完遂に向けていよいよ頑張っていかなければならない。陸前高田の底力を今こそ示し、私も皆さまと一緒に努力していく」と意欲を示し、佐々木茂光県議らもお祝いの言葉を述べた。
新年のスタートをことほぐ「祝賀の舞」が披露されたあと、和やかに祝宴が繰り広げられ、市民歌斉唱、万歳三唱で締めくくった。

各界から約140人が出席した新年交賀会=住田町
新たな時代へ躍動誓い合う
住田
住田町の新年交賀会は、世田米のホテルグリーンベル高勧で開かれた。産業、行政、教育、議会などの各界関係者約140人が出席。新年を祝うとともに、さまざまな困難を乗り越えながら新しい時代を築く思いを共有し合った。
交賀会は住田町商工会(千田明夫会長)が主催。町、町自治公民館連絡協議会、大船渡市農協、町婦人団体連絡協議会、気仙地方森林組合、住田ライオンズクラブ、町社会福祉協議会が共催した。
千田会長が「人口減少は地方の喫緊の課題であり、その打破に向けて住田町でも日々特色のある活動が行われている。一隅を照らすべく活動をしている人々の力を集め、新しい発展につながる躍動感がある年に」とあいさつ。
続いて、神田謙一町長、瀧本正德町議会議長が登壇し、官民一丸となった地域振興などを強調。出席者の一人で、大船渡市農協理事の多田まり子さんが「祝賀の舞」を披露した。
菅野孝男町社協会長の発声による乾杯後は、なごやかな雰囲気の中で歓談。自民党総務会長の鈴木俊一衆議院議員や佐々木茂光県議も姿を見せ、それぞれ年頭あいさつを行った。