知恵と食材で地域交流 生徒が運営担い 竹スキー制作や赤かぶ調理など 有住中(別写真あり)

▲ 竹スキー制作に取り組む生徒たち

坂本赤かぶを生かした調理体験も

 住田町の有住中学校(三浦政勝校長、生徒38人)で7日、3年生3人が自主的に企画した「地域交流会」が開かれた。かつての遊び道具だった竹スキー制作や地元特産の「坂本赤かぶ」の調理、お手玉づくりなどを体験。生徒や教職員、地域住民が心を通わせながら、なごやかなひとときを過ごした。
 地域交流会を企画したのは、3年生の小松春美さん、佐藤亜紀さん、篠原リオさんの3人。町内小中高校の独自教科「地域創造学」の一環で、地域に根ざした行事を企画・実行しようと昨年プロジェクトを立ち上げた。
 地域資源の活用や住民から学ぶことができる体験を考え、講師依頼なども3人が担った。生徒や教職員、地域住民らに体験を呼びかけ、この日は30人余りが参加した。
 このうち、竹スキー制作では、上有住の佐々木慶逸さん(64)が講師役を務め、生徒たちと同年代の時に遊んでいた型を〝再現〟。長さ約70㌢の細い竹に穴を開け、足を固定する部分も含めてワイヤーでつなぎ、完成させた。
 生徒たちは手作業で穴を開ける作業に悪戦苦闘しながらも、制作の楽しさを体感。佐々木さんは「自分たちの時代はスキー板などはなく、自分たちでつくるしかなかった」と語りながら見守った。
 一方、坂本赤かぶを使った料理は、世田米在住の泉田紀禾(きわ)さん(73)が中心となって指導。ボルシチ風の煮込み料理や、色鮮やかに仕上げる「ばら寿司」で使った。
 坂本赤かぶはこれまで、漬物などに加工されてきた半面、販路が限られているため数軒の生産にとどまる。しかし、熱しても独特の赤色が残り、風味にも評価が高い。
 篠原さんらは事前に、色やおいしさを生かした料理づくりを目指し、泉田さんと検討。坂本在住のクラスメートに食材確保を依頼するなど〝裏方役〟としても奔走した。
 お手玉づくりも地域住民が生徒や教職員一人一人のそばにつき、縫い上げるコツなどを丁寧にアドバイス。世間話にも花が咲き、手を動かしながら交流を深めていた。
 このほか、地元菓子店による出張販売もあり、多彩な企画で好評を博した。運営を担った小松さんは「うまくいくか不安だったけど、みんな楽しんでいたようなので良かった」と話していた。