正しく使おう110番 気仙両市で啓発イベント 大船渡署(別写真あり)

▲ ケセンジャーから啓発グッズを受け取る子ども=大船渡市

パトカー試乗体験なども

 

 語呂合わせで「110」となることにちなみ、「110番の日」とされている10日、大船渡警察署(及川雅人署長)は啓発イベントを気仙両市で行った。各会場では、署員らが110番の利用に関わる啓発グッズを配布したほか、パトカーの試乗体験などを実施。特殊詐欺被害や交通事故の防止も呼びかけながら、110番の適切な活用を呼びかけた。

 110番は事件事故が発生した場合の緊急ダイヤル。盛岡市の県警本部通信指令課が通報に応じ、発生場所を管轄する警察署に指令を出す。
 イベントは、110番の仕組みの周知、緊急時以外やいたずらなどによる110番通報の件数減少が目的で、「110番の日」に合わせて毎年実施している。
 この日、大船渡市盛町のショッピングセンター「サン・リア」では、署員らが買い物客らに啓発用のティッシュやマグネットなど100部を配布。「どこで」「いつ」「何があったか」など、110番通報した際の伝え方も説明した。
 会場には、同署の広報劇団「防犯戦隊ケセンジャー」の「大船渡レッド」も登場。親子に啓発グッズを配布したほか、展示されたパトカーの前で記念写真を撮るなど、市民たちと交流した。

笑顔でパトカーに体験乗車=陸前高田市

 一方、陸前高田市高田町の商業施設・アバッセたかたの駐車場では、同署高田幹部交番(昆徹所長)の署員らが啓発用チラシを配布。現場で活躍するパトカーも展示した。
 パトカーは、高田幹部交番に配備されているセダン型のものを展示。多くの買い物客や子どもたちが興味津々の様子で体験乗車したほか、署員から車内設備についての説明も聞き、地域の安全を守るパトカーに理解を深めていた。
 母親と一緒に乗車した小泉雄大君(3)は「パトカーはとてもかっこよかった」と笑顔を見せた。
 昆所長は「110番通報するときは決してあわてないことが大切。特に陸前高田市内は、まち並みの形成途上で、発生場所を正確に伝えることが難しい場合もあるが、警察官の指示にしたがい、落ち着いて情報を伝えてほしい」と話していた。
 同署によると、昨年1年間の110番総受理件数は4万8780件で、1日平均は133・6件。総受理件数のうち、誤接続やいたずら、無応答など「無効」の通報(試験通報などを除く)は前年比1494件増の7620件にのぼるという。
 警察では、緊急ではない相談は近くの警察署や交番、駐在所の窓口を訪ねるか、県警本部の相談専用ダイヤル(#9110または019・654・9110)を活用するよう求めている。
 同署の藤原克将地域課長は「いたずらの通報があると、回線がふさがり、本当に緊急を要する案件に応じられなくなる場合がある。警察の力を最大限引き出すためにも、110番は適切に活用してもらいたい」と呼びかけている。