4月から診療体制変更 三陸町内の国保診療所 小児科は越喜来に 大船渡

 大船渡市は三陸町内にある越喜来、綾里、吉浜各国保診療所の診療体制を4月から変更する。越喜来診療所長の佐々木道夫医師(69)が3月末で定年退職するのに伴うもので、同所長には綾里と吉浜の診療所長を務める渡邊周永医師(53)が就任し、小児科と内科を担当。綾里と吉浜は、会計年度任用職員となる佐々木医師が所長として内科を診察する。診療時間や科目が変更となることから、市は市民らの理解を呼びかけている。
 三陸町内の3診療所と綾里の歯科診療所は、市の国民健康保険診療所として開設。各診療所の所長が診察を担っている。
 越喜来は平成3年から佐々木医師が所長を務め、内科を診察。患者数は30年度が9229人で、1日当たりの平均は約40人となっている。
 綾里・吉浜は30年1月に渡邊医師が所長となり、綾里では内科、吉浜では小児科と内科を担当。30年度の患者数は綾里(週2回、午前中のみ診察)が1197人、吉浜が1708人で、1日当たりは綾里が12人、吉浜が7人。
 市内国保診療所の医師は、70歳を迎える年度で定年退職となり、佐々木医師は本年度末で任期を終える。このため、市は医療提供の確保に向け、調整を進めてきた。
 令和2年度からは、渡邊医師が越喜来の所長を担当。越喜来の診療科目は小児科と内科で、毎週月曜から金曜の午前と、水曜日を除く午後に一般診療を行う。受付時間は午前が8時30分~11時、午後は2時~4時30分。診療時間は午前が9時~正午、午後は2時30分~5時。
 水曜日を除く午後1時~2時は、予約制で乳幼児健康診査や予防接種に対応。水曜日の午後は一般診療を休み、完全予約制による小児の慢性疾患診療、訪問診療等を実施する。
 薬は現行通り院内処方。患者輸送車も従来通り運行する。
 佐々木医師は、会計年度任用職員のパートタイム職員として勤務を継続。綾里と吉浜の所長として内科を診察し、吉浜では訪問診療も行う。
 診療は、綾里が毎週火曜と木曜、吉浜は同水曜日と金曜日の午前中。いずれも受付時間は8時30分~11時30分で、診療時間は9時~正午。
 薬の処方は従前通り、綾里は院外、吉浜は院内。患者輸送車は、診療日に合わせて運行する。
 診療体制の変更に伴い、越喜来、綾里、吉浜の各診療所は3月30日(月)と31日(火)は休診とし、医療機器等の引っ越しや配置替え作業を予定。診療体制は、患者の動向等をみながら適時見直しを図るとしている。
 熊澤正彦生活福祉部長は「診療時間や科目が変わるが、市としては地域医療を守っていく観点から、いままでの医療提供の質を落とすことがないよう引き続き努めていきたい」と話している。
 市は今月17日夜から、三陸町内3地区での住民説明会をスタート。初日は越喜来の三陸公民館で行い、新体制の概要などを住民らに示した。説明会は20日(月)に吉浜地区拠点センター、21日(火)に綾里の綾姫ホールで、いずれも午後7時から開催する。
 診療所の体制や説明会に関する問い合わせは、国保年金課地域医療係(℡27・3111内線149)へ。4月からの診療体制は別表。