探究の成果 発信し合う 大船渡東で「課題研究発表会」 気仙3市町の高校生(別写真あり)
令和2年1月23日付 7面

大船渡東高校(川村俊彦校長、生徒343人)による「課題研究発表会」は22日、同校体育館で開かれた。同校を含む気仙の4高校の代表生徒が登壇し、地域資源の活用などをテーマとした研究や活動の内容を発表。4高の生徒がそろって参加したのは今回が初めてで、探究の成果を発信し合いながら、それぞれの取り組みの充実・発展に向けたヒントにもしていた。
地域資源活用などテーマに
同発表会は、大船渡東高の各学科の生徒が1年間の活動成果を発表し合い、知見を広めることが目的。以前から参加している高田高海洋システム科に加え、昨年からは同校と大船渡高の普通科生徒が加わっており、さらに今年は住田高生も初めて参加した。
この日は、大船渡東の全校生徒と各校の代表生徒、教諭らが来場。川村校長は生徒らに向けて「学びの場所は違うが、気仙を支えるみなさんがこうして集まることは意義のあることだと思う。互いに得た知識を発信し、未来の社会をつくる力につなげてほしい」とあいさつした。
その後、大船渡東高5学科の3年生合わせて11人と、大船渡高普通科の2年生1人、高田高2学科の2人、住田高普通科の7人が、それぞれ研究や取り組みの成果を発表。
トップは、大船渡東高農芸科学科の田村倖汰朗君と花輪美月さんの2人。「ツバキでつなぐ気仙 ファイナル〜地域復興のその先〜」と題し、大船渡の市花・ツバキを地域活性化に活用しようと取り組んでいる活動について説明した。
2人は、地元産のアユとツバキを組み合わせた新商品の開発や、つばき油抽出用に特化したツバキの新品種作出などの成果を発表。さらに、産学官連携による持続可能な活動にしていくためのアイデアや課題についても語り、「大船渡のツバキ産業を盛り上げたい」と思いを伝えた。
一方、住田高の生徒らは「住田の歌」を作り地域活性化につなげるプロジェクト「うたプロ」について発表。地域住民らと協力し、住田の〝良いところ〟をちりばめた歌の一部を実際に合唱して紹介した。
ほかにも、調理についての研究成果や、陸前高田市の特産品を活用して地元の魅力を再発見するスタンプラリープロジェクト、気仙の公共交通の課題を解決するための有人・無人バスの活用法など、さまざまな視点で生徒らが発表。会場の生徒らは同世代の熱弁に真剣な表情で耳を傾けていた。
田村君は「町を盛り上げるために歌を作った住田高の取り組みなど、他校の発表を聞いて刺激を受けた。ツバキに関わる取り組みは、自分たちの代だけではなく、これからも続けていくことで結果が出るもの。今回の発表で伝えた思いも含め、後輩たちに引き継いでもらいたい」と話していた。