2月に認定記念シンポ 「みちのくGOLD浪漫」 日本遺産の価値と魅力解説 陸前高田

▲ 奈良・東大寺の大仏や平泉・中尊寺金色堂を彩った金にまつわるシンポジウムを開催

「世界大遺跡玉山霊域の塔」など、陸前高田における「ストーリー」構成文化財についても説明

 陸前高田市を含む岩手・宮城の2市3町の〝金〟にまつわる歴史・文化が昨年度、文化庁の「日本遺産」に認定されたことを記念して2月1日(土)、同市気仙町の道の駅「高田松原」内にある国営追悼・祈念施設セミナールームで「日本遺産『みちのくGOLD浪漫』を知るin陸前高田」と題したシンポジウムが開かれる。地元でもあまり知られていない産金の歴史とその面白さ、魅力について、専門家らが解説する。参加費無料で申し込み不要。
 「日本遺産」は、複数の地域にまたがるような歴史、風土、有形・無形の文化財などをテーマでまとめ、それらが人々に語りかける「ストーリー」を認定する制度。
 陸前高田市と平泉町、宮城県涌谷町、気仙沼市、南三陸町が合同で構築したストーリー「みちのくGOLD浪漫―黄金の国ジパング、産金はじまりの地をたどる―」は奈良時代、日本で初めて金が産出された陸奥国(みちのく)の黄金と、これらにまつわる自然遺産、史跡、文化財などを一体的に伝える内容であることが評価され、昨年度の日本遺産に認定された。
 5市町は今後、周遊ルートの策定など広域での観光受け入れ体制も整えていくことにしているが、シンポジウムはまず地域の人々に日本遺産について周知し、その魅力を伝えることなどを狙いに、構成自治体がリレー形式で開催。陸前高田市は3番目の会場となる。
 当日は「日本遺産」とは何かや、「みちのくGOLD浪漫」のどういった点が評価されたかなどについて説明。涌谷町地域おこし協力隊員で、元電通プロデューサーの樋下稔生氏が他地域における日本遺産の事例などを紹介する。
 また、樋下氏をファシリテーターに、認定に携わった関係者らが「『みちのくGOLD浪漫』のこれから」と題し、トークセッション。伊達藩の命により鉱山行政・開発管理を指導する「御金山下代(おかねやまげだい)」を代々引き継ぎ、歴史的偉人を数多く輩出した旧今泉村(陸前高田市気仙町)松坂家の末裔(まつえい)である松坂泰盛さん(陸前高田市立博物館長)も登壇する。
 先着100人には、オリジナルロゴ入り缶バッジをプレゼントする。開場は午後1時。開演は同30分。会場は定員に限りがある。
 日本遺産「みちのくGOLD浪漫」推進協議会陸前高田支部の事務局である市観光交流課は「地元でもまだまだ、陸前高田の産金の歴史を知らない方が多い。これを機会に多くの市民に関心を寄せていただき、インバウンド推進にもつなげたい」とし来場を呼びかけている。