観光や地域の〝足〟に EVレンタル事業開始 陸前高田(動画、別写真あり)
令和2年1月26日付 8面

陸前高田市高田町の中心市街地で25日、電気自動車(EV)の貸し出しを行う「三陸おもてなしレンタカー」が開業した。交流人口の拡大を通じて同市の活性化を目指すとともに、環境に優しいEVの活用によるSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献、地域の交通課題解決に役立つ取り組み推進なども図っていく。
交通課題解決へ
三陸おもてなしレンタカーは、同市に本社を置く東北㈱(浅間香織社長)が運営。観光客やビジネスマンに対する2次交通の提供や、地域における新たな移動方法の構築などを視野に入れ、同社社員で、市の「観光2次・3次交通」分野の地域おこし協力隊である4人の市外出身者らが事業を立ち上げた。
同社は「三陸の人と環境を大切に」を合言葉とし、国の「SDGs未来都市」に選定された陸前高田市にふさわしい乗り物としてEVの導入を決定。
また、新たな移動手段として横田町民が行う実証実験に同社の車両が使われることが決まっており、地域内でのさらなる活用も見込まれる。
開業にあたり、同市の岡本雅之副市長は「市内には道の駅をはじめさまざまな施設がつくられているが、交流人口拡大のうえでは、これらを回遊してもらうための〝足〟の確保が重要。ここにレンタカー事業所が開設されることを市としてもうれしく思う。多くの人が電気自動車で移動する魅力を知ることで、陸前高田のみならず東北全体の活性化につながれば」と期待を寄せた。
同事業所はJR陸前高田駅そばにあり、電動バイク「バイクル」のレンタル事業を行う「イー・バイクルジャパン」と合同開設。26日に落成する「陸前高田アムウェイハウス まちの縁側」にも隣接し、同施設にテナント入居する市観光物産協会がレンタサイクル事業を行っていることから、陸前高田駅に降り立った人が、2次・3次的な移動手段を同一エリアで選べるようになる。
EVは走行音が静かで、ガソリン車と比較してパワーにも遜色がなく、操作方法もほとんど変わらない。1回のフル充電でおよそ160㌔の距離を走れるといい、市内では高田町のキャピタルホテル1000、竹駒町のローソンが充電スポットとなっている。今後は充電スポット検索アプリを搭載したタブレットを車内に設置するという。
オープン記念として当面、レンタル料金は20%引き。三陸おもてなしレンタカーのSNSをフォローするとさらに10%オフになる。価格は5人乗りで3時間6900円~24時間1万7600円(保険料等込み)。詳細はパソコン用サイト(https://tohoku.life/)で確認を。
同社の浅間勝洋さんは、「レンタカーをよく利用される方には、この価格で電気自動車に乗れるのかと驚いていただけると思う。観光用としてだけでなく、気仙地域でどんなふうに活用できるかも皆さんと模索していければ。今後も地域の方にEVについて知っていただきたい」とし、26日以降も試乗会を開くことにしている。