いにしえの芸術感じて 市立博物館「縄文の魅力展」開幕 大船渡
令和2年1月26日付 7面
大船渡市立博物館(平田功館長)による特別陳列事業「大船渡・縄文の魅力展」は25日、末崎町の同館で開幕した。市内の貝塚や遺跡から見つかった土器、土製品、石器、骨角器など約70点を展示し、その造形的な魅力を紹介。縄文人の技術や工夫が生み出した造形美に迫りながら、いにしえの芸術を感じられる内容となっている。3月22日(日)まで。
土器などの造形美に迫る
今をさかのぼること約1万2000年前から約2000年前にかけ、1万年ほど続いたとされる縄文時代。人々は狩猟採集によって生活していたといわれる。
大船渡市内には、約9000年前以降の縄文時代を物語る資料が各地で発掘。さまざまな土器や土製品、石器、骨角器などが出土しており、その形やつくり、模様等も手がかりとなって、地域の歴史や当時の様子を明らかにしてきた。
一方で、出土品には独特の形やつくり、色、模様などが残り、その造形美は時代を超えて人々を魅了する。今回の展示は、こうした「造形的な魅力」にスポットライトを当て、縄文人による芸術作品としての視点から資料を紹介している。
展示は、「Ⅰ土器」「Ⅱ土製品」「Ⅲ石器・石製品」「Ⅳ骨角器」「Ⅴ復顔」で構成。大洞貝塚(赤崎町)、長谷堂貝塚(猪川町)、宮野貝塚(三陸町綾里)、上鷹生遺跡(日頃市町)から発見された資料を集めた。
このうち、「Ⅰ土器」のコーナーでは、鍋として用いられていたとされる深鉢や、皿のような浅鉢、つぼ、注ぎ口が付いた注口土器などを展示。年代によって形や模様には流行があったとされており、中には手の込んだ模様、ひょうたんにそっくりの形のものなどが見られる。
また、長谷堂貝塚から見つかったアスファルト入りの土器についても解説。アスファルトは注口土器の修繕などに用いられたが、日本海側の地域でしかとれないものであり、なぜ太平洋側の大船渡まで運ばれてきたかは研究中だという。
「Ⅱ土製品」と「Ⅲ石器・石製品」では、土製や石製の「たれかざり」や、三角柱を倒したような形に模様や穴を施した「三角とう形土製品」、多彩な土偶の顔、スレートを加工して作られた「石棒」などを展示。実用的な土器や石器に比べて用途不明の資料も多く、当時に思いをはせて使い方を想像するのも面白そうだ。
「Ⅳ骨角器」では、ニホンジカの角で作った「かざりつき刺突具(しとつぐ)」、サメの歯やヒトの切歯に穴をあけたペンダントといった貴重な発掘品も。「Ⅴ復顔」に並ぶ男性と幼児の復顔レプリカは、宮野貝塚から見つかった頭骨をもとにしており、縄文人を身近に感じる資料となっている。
同館では「難しいことは考えずに展示を見ていただき、資料の模様や形、表情などから何かしらお気に入りを見つけてほしい。そこから縄文時代に興味を深めるきっかけにしてもらえれば」として、多くの来館を呼びかけている。
時間は、午前9時〜午後4時30分(同4時まで受け付け)。休館日は月曜日だが、月曜日が休日の場合は火曜日。入館料は一般300円で、高校生以下は無料。
問い合わせは同館(℡29・2161)まで。





