官民一体で6次化に本腰 推進協議会が発足 陸前高田
令和2年1月31日付 6面

5カ年戦略も策定
陸前高田市や陸前高田商工会、生産者らでつくる同市6次産業化推進協議会(会長・戸羽太市長)は29日に発足し、この日の第1回会合で令和2年度から5カ年の「6次産業化推進戦略」を策定した。同市の豊かな食資源の付加価値を高める6次産業化を官民一体となって推進し、地域活性化を図っていくこととし、地域食材の掘り起こしや農福連携などの重点事項を確認した。
協議会は、昨年12月に開催した準備会、勉強会を踏まえて設立。第1次産業や商工観光、金融、福祉など7分野計17人で構成する。
この日は15人の委員が出席。戸羽市長は「行政としても6次産業化をしっかり進めていきたい。協議会は生産者と企業などとをマッチングするようなイベントやアイデアをもむ場。6次産業化を具体的にどう進めるべきか意見をうかがいたい」とあいさつした。
市事務局が準備会の概要について説明。次いで、協議会の規約制定、6次産業化推進戦略の策定について協議し、原案通り決めた。
同市では昨年9月、高田松原津波復興祈念公園内に、震災で被災した道の駅「高田松原」が再建され、土産品、農林水産物がそろう同駅には連日大勢の観光客が訪れている。推進戦略は、こうした好機をとらえ、地場産品の加工・販売を強化し、生産者の所得向上、雇用の拡大を図ろうと策定するもの。
期間は令和2~6年度。重点事項は市まちづくり総合計画(本年度~令和10年度)に基づき、▽地域食材の掘り起こしと活用▽新商品開発に向けた調査研究▽道の駅及び中心市街地を核とした商品の売り上げ拡大と交流人口の増加▽農福連携による人手の確保──の4点を掲げ、それぞれ具体的な活動指標、成果指標を設定した。
「地域食材の掘り起こし」に関しては、商品化によって売り上げ増が見込まれる産物を絞り込み、ブランドの重点化を図る。「農福連携」については、農協、社協、ユニバーサル就労支援センターなどと連携しながら、生産者と高齢者、障害者、短時間労働の希望者とのマッチングを行うこととしている。
同協議会は今後、同戦略を国に提出し、6次産業化に乗り出そうと検討する市内事業者への補助金を確保したい考え。一方で、今後定期的に開く協議会の会合で寄せられた委員の意見、アイデアを生かし、戦略内の指標などを随時見直す方針で、多様な生産者に支援が行き届くような戦略を練り上げることとしている。