広田湾の海洋環境報告 高田高生が堂々と 取り組み発信の機会に 陸前高田(別写真あり)

▲ 調査の成果を報告した海洋システム科生

 

 陸前高田市の県立高田高校(須川和紀校長、生徒391人)の海洋システム科生は17日、東海大の指導・協力のもと、広田湾内で続けてきた海洋環境調査に関する報告会を同校で開いた。東海大による海洋調査は東日本大震災後行われ、生徒たちが成果を発表するのは今回が初めて。同校は今後、同大の調査を引き継ぎ、漁協や漁業者らに有用な海洋環境データとして提供するなどし、水産業発展への可能性を探っていく。

 

東海大支援で調査・分析

 

 東海大は、海洋研究開発機構(JAMSTEC)や東京大、東北大が手がける東北マリンサイエンス拠点形成事業「海洋生態系の調査研究」(平成23年度から10カ年)の一環で、広田湾や大船渡湾で海洋調査を実施。広田湾の調査には26年度から、海洋システム科生も携わっている。
 報告会には、生徒に加え、広田湾漁協、県大船渡水産振興センター、市担当者、漁業者ら合わせて約150人が参加。
 JAMSTEC海洋生物環境影響研究センターの藤倉克則センター長や東海大海洋学部の坂本泉准教授が研究の概要などを解説したあと、海洋システム科2年の6人が登壇し、取り組みを発表した。
 小松龍介君は、湾内の水温と塩分の分布を可視化した水質マップを紹介。水深2・5㍍までの浅い海域は水温、塩分量ともに測定時期などで変化が見られ、その一方、5㍍より深い海域では変化量が小さく環境が安定していることが分かったと述べた。
 このほか、底質環境、生態系の調査結果も報告。市内2漁港でサンプル採取し、81種の生物を判別した成果に触れたうえ、調査地点を拡大しながら図鑑作成を目指していくとした。
 小松君は「養殖業は海の環境が大切。広田湾で働く生産者などにマップの情報を提供することで恩返しにつなげたい」と話した。
 東海大による海洋調査は来年度末まで。高田高は同科生の専門的知識・技術を養い、地域に貢献する人材を養うプログラムと位置づけて調査を引き継ぎ、将来的には研究データを広田湾漁協などに提供していきたい考え。
 須川校長は「漁業者らに対して貴重な情報源となるような取り組みとなるまで発展させたい」と構想を語り、坂本准教授は「高田高を中心とした海洋環境観測の拠点を構築していってほしい」と期待を込めた。