下有住地区館が受賞 文科省の優良公民館表彰 住田

▲ 表彰状を前に笑顔を見せる金野館長

住民主体の活動評価

 

 住田町の下有住地区公民館(金野純一館長)が、文部科学省による本年度の優良公民館表彰を受けた。住民主体の地域づくりや、東日本大震災直後に地区内に整備された木造仮設住宅団地での支援活動などが評価された。
 文部科学省は毎年、公民館をはじめとした社会教育活動施設を対象に、地域住民の学習活動などに大きく貢献している功績をたたえる表彰事業を実施している。今年は全国で75団体が選ばれ、県内からは下有住地区公民館を含め3団体が選ばれた。住田の公民館組織が受賞したのは、例がないという。
 280世帯、人口約750人の同地区内には、四つの自治公民館が組織され、連携・協働を重視しながら各種活動を展開。集落支援員を兼務した常勤の嘱託職員らが運営を担い、地域づくりの拡充に取り組んできた。
 地域住民の交流活動促進に向けて「小さな拠点づくり」を展開。毎年、住民が地域課題を共有する「下有住を語る会」の開催や、遊休農地を生かしたソバ栽培、大収穫祭の運営を通じて、地域に活気を呼び込んでいる。
 各種活動では、地区公民館を会場とするだけでなく、自治公民館単位での開催を重視しながら、住民との対話機会を確保。住民主体の活動にも積極的に支援しながら信頼関係を構築し、世代間交流の促進も図ってきた。
 また、東日本大震災を受け、地区公民館近くに63戸の木造仮設住宅が整備されると、被災者の相談対応や施設開放などの支援事業にも注力。団地自治会組織の設立・運営にも主体的にかかわり、地域コミュニティー形成に貢献した。
 表彰式は14日に都内で行われ、金野館長(75)らが出席。同館長は「地道に長い間ずっとやってきたことが評価されたものであり、地域の皆さんが一体となって活動してきたからこその受賞。これからも『自分たちでできることは、自分たちで』を大切にしたい」と話している。