こだわりの一品を全国に 大船渡の「黒船」監修 明星食品とコラボレーション
令和2年2月20日付 5面
明星食品㈱(本社・東京都、三浦善功社長)は24日(月)、大船渡市猪川町の人気ラーメン店「大船渡秋刀魚だし黒船」(岩瀬龍三店主)監修のどんぶり型カップ麺「さんまだし香る醤油ラーメン」を全国発売する。同店の看板メニューである「秋刀魚だしラーメン」を再現したもので、平成25年以来2度目のコラボレーション。約半年間、全国のコンビニエンスストアやスーパーなどで販売される。
どんぶり型カップ麺
24日から販売開始
同社では震災が発生した平成23年から、復興支援商品としてコラボカップ麺を販売。同年と24年は東北の素材を原材料に使用したもの、25年から東北沿岸地域の名店とコラボした商品を送り出している。
25年は黒船とコラボした「さんまだし香る醤油ラーメン」、26年は陸前高田市の中華食堂・熊谷と黒船とのダブルコラボで担々麺を発売。10回目となる今回は、震災の風化防止、被災地を知ってもらうきっかけとし、カップラーメンを通じた地域活性化を図ろうとコラボ商品の開発を企画した。
黒船は平成14年創業。秋刀魚だしラーメンは、岩瀬店主がこだわりを持って作り上げた一品で、絶妙な歯ごたえの自家製麺に、上品でほんのりとした甘さを感じさせる秋刀魚だしと南部鶏のスープが絡む。25年のカップ麺商品化以降、東京ラーメンショーへの出店などによって全国的に知名度が高まっている。
盛岡市の県庁で19日に開かれた説明会と試食会には、岩瀬店主や明星食品東北支店の真田育則支店長、同社マーケティング本部の松川賢一課長、戸田公明大船渡市長、大槻英毅県復興局長が出席。
はじめに戸田市長が、市内の復興状況に触れながら「多くの皆さんが大船渡に心を寄せていただき、訪問するきっかけになると思う」とあいさつ。
大槻復興局長は「全国の人たちから受け入れられるラーメンだと思う。三陸にはまだまだいろいろなラーメンがあるので、商品化していただければ」と述べた。
今回発売される商品は、しなやかで歯切れのいいノンフライ麺、チキンポークのうま味をベースにサンマ節エキス、昆布、煮干しを加えて香味野菜とペッパーで味を整えたコク深いスープ、店舗の具材をイメージしたかやくが特徴。商品化に向けては、店の味をできるだけ再現しつつ、カップラーメンとしての食べやすさ、おいしさも追求したこだわりの一品となっており、 岩瀬店主は前回の商品化時の心境も語りながら「味に関しては、正直100%の再現ではないが、私の案だけでなく、即席ラーメンのプロの案も入っているので、いいものになっている」と出来栄えを語った。
また、商品パッケージには、東北エリアから発信していることを全国に伝えるために「大船渡」の地名を大きく入れ、東北地方の地図を加えるなど工夫を凝らしている。
小売価格は税別230円で、同社では100万食の販売を目指す。売り上げの一部は、大船渡市の「ふるさと大船渡応援寄附」に寄付することとしている。





