一般会計は50億円に 令和2年度当初予算案 住田町

上有住地区館整備など計上 


 住田町は21日、令和2年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は50億円で、現年度当初比で2億4700万円(5・2%)の増。新たに上有住地区公民館や町営住宅の新築整備などが盛り込まれ、平成28年度以来4年ぶりの50億円台となった。各種予算案は25日(火)招集の町議会定例会に提案される。
 予算案のうち各種特別会計の合計は現年度当初比2億5614万円減(12・6%)の17億8181万円。簡易水道事業と下水道事業が公営企業会計移行し、大幅な縮小となった。一般会計を含む総額は67億8181万円で、同914万円(0・1%)減となった。
 一般会計の歳入をみると、69・8%が依存財源。最も多い地方交付税は21億2000万円で、同2000万円(1・0%)増。繰入金7億5893万円(現年度当初比15・2%増)、町債6億5890万円(同39・6%増)、町税4億8581万円(同4・1%増)が続く。
 目的別歳出の内訳で最も多いのは、民生費の11億849万円(同3・3%増)。ほかは総務費6億8725万円(同8・6%減)、教育費7億6036万円(同48・8%増)、公債費6億7860万円(同4・3%減)などとなっている。
 歳出で目立つのは新規事業となる上有住地区公民館整備の2億6747万円で、新年度内の完成を目指す。世田米の清水沢、火石両団地の町営住宅整備費1億7261万円も盛り込んだ。
 県立住田高校魅力化推進費は1617万円を計上。本年度も実施している自学自習支援や教育コーディネーターの採用に加え、新たに「魅力化推進会議」を設けるなどして、さらなる教育環境充実を後押しする。
 特別会計は国民健康保険が6億7762万円(現年度当初比3・1%減)、介護保険(保険事業勘定)が10億2827万円(同5・2%増)、同(介護サービス事業勘定)が260万円(同68・0%増)、後期高齢者医療が7333万円(同3・5%増)となった。
 公営企業会計のうち、簡易水道事業は収益的収入が1億7427万円で、支出が1億5323万円。資本的収入は1億1726万円で、支出は1億4879万円。
 下水道事業の収益的収入は1億8214万円で、支出は1億5040万円。資本的収入は4226万円、支出は4494万円となっている。
 予算編成にあたっては、各種公共物の維持補修費の増加をふまえ、長期的な観点で低減を図る取り組みを検討。不具合への対応策をまとめるなど公共施設等の個別計画策定も進める。
 また、事業ごとに年度内に執行可能な事業量を精査。各課横断的な取り組みによる業務効率化にも力を入れた。
 神田謙一町長は「新年度予算は、新たな総合計画の各分野に対応するものであると同時に、現在の比較的健全な財政状況を将来世代に引き継ぐことを念頭に置いて編成した」と話している。