日々の暮らしの活力に 育児中の女性らがクラフト作り 希望者は委託販売なども 陸前高田

▲ 山本さん㊨に教えを受けながら「ぷてぃふーるマグネット」作りに挑戦する女性たち

 子育て中の女性たちの息抜きや仕事の創出につなげようと、陸前高田市の一般社団法人SAVE TAKATA(佐々木信秋代表理事)は現在、女性たちにクラフトづくりの技術を伝え、ハンドメード品の販路をリスト化するといった事業に取り組んでいる。同法人は、できた作品を販売し女性たちの収入にしてもらうだけでなく、「育児中のストレス解消や日々の活力、参加した人が次のステップへと踏み出すきっかけになれば」としている。
 同法人は子育て中の女性をサポートする各種事業を展開。乳幼児を育てる女性たちが短時間のみ働けるような仕事づくりなどにも取り組む中、同市気仙町の山本ひろみさん(31)に事業委託し、今回初めてクラフト講習会を開いた。
 高田町にあり、「たまご村」として再整備中の「大隅つどいの丘商店街」では4日、山本さんの指導のもと女性たちがペットボトルのキャップにレースやビーズをあしらった「ぷてぃふーるマグネット」作りに挑戦した。
 「プティフール」は一口サイズのケーキのこと。結婚前は菓子職人だったという山本さんはハンドメードも好きで、自身も5歳と3歳の男の子を育てながら趣味で作品作りを続けていたという。現在、道の駅「高田松原」内の「チャレンジコーナー」に開設されるクラフトマルシェでも、山本さんが制作したぷてぃふーるマグネットを販売している。
 山本さんは「ずっと好きでやってきたけれど、商品にできるという自信はなかった。こうしてチャンスをもらったので、やってみようと踏み出せた」といい、集まった女性たちに作り方のコツを伝えながら、一緒に和気あいあいと制作を楽しんだ。
 参加者も「こんなにすてきに作れるとは思わなかった。すごく楽しい」「作っている間、子どもも見ていただいて、とてもありがたい」といい、それぞれリフレッシュできた様子だった。
 同法人の板林恵さん(40)は、「販売してもらうことを最終目標としているわけではなく、ただの気分転換として参加してもらうだけでもいい。達成感を感じる中で『自分はこういうことが好きだ』と気づいたり、『何か始めてみよう』と気持ちが前向きになったりすることもあると思う。マグネット作りがそうしたきっかけづくりにもなれば」という。
 講師を務めるだけでなく、気仙2市1町と気仙沼市を含む生活圏において、ハンドメード品の委託販売などを受けている店をリストアップするなど、「ママさんたちが販売してみたいと思ったときのサポートに」と準備も進めている山本さん。「私はあくまでお手伝い。ここで技術を持ち帰ってもらい、それぞれ自立していってもらえれば」と話していた。