居場所確保へ臨時開所 放課後デイの2施設 営業日減らし職員数確保 気仙

▲ アップルで日中を過ごす児童・生徒ら

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大船渡市の気仙光陵支援学校(小澤千殖校長)が休校措置を取っていることを受け、児童・生徒の受け皿となる放課後等デイサービス(放課後デイ)を手がける気仙の2施設が朝から開所するなど対応に追われている。両施設は毎週土曜日を閉所し、職員の休みの日を週末に合わせることで、開所時の人員確保を図る。障害者も通所し、免疫力の低い利用者もいることから感染症予防を徹底している。

 

新型ウイルス対応で
朝から障害児受け入れ

 

 放課後デイは、障害のある子どもが放課後、夏や冬の長期休みに通う。同校の児童・生徒を受け入れているのは、社会福祉法人・大洋会(木川田典彌理事長)が運営する大船渡市立根町の「慈愛福祉学園デイサービスセンター」と、陸前高田市高田町の多機能型支援施設「アップル」の2施設で、休校が始まった2日から預かっている。
 アップルの放課後デイ定員は10人。仕事などの都合で、日中子どもを見守ることが困難な家庭のみ受け入れることとし、平日の開所時間を午後3時ごろから午前9時に早めた。感染リスクを考慮し、利用を避ける家庭もあるといい、平時よりも数人少ない7、8人が通っている。
 毎週日曜日のみ閉所しているが、今月は土曜日も閉じる代わりに、平日は全職員17人が原則出勤する方針に決めた。通常行う児童・生徒の送迎は行わず、昼食は仕出し弁当を手配した。
 特に気を配るのは感染予防。高齢、重度の障害者らも通っているため、手洗い、うがい、アルコール消毒液の利用に加え、看護師を中心とした1日2回の体温測定、床の消毒などを実施し、可能な利用者にはマスク着用も促す。
 急に決まった休校措置で生活の変化に対応できずパニックを起こしたり、体調不良を訴えるケースも懸念されたが、現時点でトラブルはない。子どもら一人一人の特性に合わせた対応が求められ、人手が必要となるため、主担当の5人の手が回らない時には介護スタッフなどもサポートに当たっている。
 施設の女性職員は「当初はどうなることかと。今は大きな混乱もなく対応できて一安心です」と胸をなで下ろす。30代男性職員は「急な休校措置で保護者も困っていると思う。なんとか受け皿の役目を果たしたい」と気を引き締める。
 一方、慈愛福祉学園デイサービスセンターも3月中、毎週土曜日を閉所する方針。両施設ともに感染状況の推移を見極め、通常通りの営業体制に戻す時期を検討することとしている。
 両施設の管理者を兼務する中村賢司施設長は「一日も早く収束することを願いつつ、その一方で仮に感染による影響が長期化しても冷静に対応できるようにしていきたい」と話す。