仮設卒業し新店舗開業 パワーストーン「ミュー」 新たにカフェ併設 陸前高田

▲ 新たに併設したカフェは村上さん㊨の長女・近江さんが担当

品数と品質が自慢のパワーストーン売り場

 東日本大震災後、陸前高田市竹駒町の仮設店舗で営業してきたパワーストーン専門店「ミュー」は、高田町の市中心部に新築され、4日、再スタートを切った。震災前、旧市街地で雑貨店を営んでいた村上律子さん(69)が商品をパワーストーンに絞って始めた店。新店舗はカフェも併設し、経営を委ねた長女との親子2人で切り盛りする。こだわり抜いた商品とおしゃれな内装で来店者をもてなしている。

 

親子2人で切り盛り

 

 村上さんの雑貨店は、夫が営む歯科医院隣の空き店舗を改修し平成11年にオープン。豊富な品ぞろえで地域内外にファンを持っていたが震災の津波で全壊し、夫も亡くした。
 当時はちょうど還暦。再び店を開く気はなかったが、知り合いに誘われたのがきっかけで仮設店舗の営業を始めた。
 新店舗の整備は家族で決め、カフェを含めて広さ約100平方㍍。昨年夏に着工し、今年2月に完成した。
 パワーストーンの売り場は、仮設店舗よりも広くした。自慢は豊富な品数。金運や恋愛、健康、仕事などの運気を上げるとされる商品がそろい、村上さんは「石の品質や種類はどこにも負けていないつもり」と胸を張る。
 一方、カフェを運営するのは長女の近江仁美さん(43)。小学生の子を持つ立場から、「子育て世代に安心してゆっくりとした時間を過ごしてほしい」と店内の一角にキッズルームを設けた。室内にはテーブルも置き、家族で食事を取れるようにもする。
 コーヒーなどドリンク類はこだわりのカップで提供する。フードメニューはしょうが焼きや揚げ物のセット、ロコモコ、カレーライスなどで、外国産ビールも用意する。
 カウンターは8席、2〜4人席のテーブルは4卓配置。おしゃれな雰囲気が魅力の一つで、米国の住宅のようなカラフルな腰壁やアメコミをイメージした壁紙などをはった。自由に使えるWi─Fi(ワイファイ)環境、携帯・パソコンなどの充電用コンセント、USB端子の差し込み口も完備する。
 近江さんは「これからが本番だが、あまり気負わずに長くのんびりとお店を続けられるよう心がけたい。お客さまにそれぞれの時間を過ごせるような場を提供したい」と話す。
 村上さんは「きれいな石を見て、癒やされ、ワクワクするような空間をつくり上げたい」と意気込む。
 営業時間は、カフェが午前9時〜午後9時(金、土曜日は午後11時ごろまで)、パワーストーン店が午前11時〜午後6時30分。ともに木曜日定休で、ほかに不定休あり。電話番号は55・6888。