「希望の灯り」から種火 パラリンピック採火式 陸前高田

▲ 陸前高田市の「3・11希望の灯り」からパラリンピックの採火が行われる

 8月25日(火)に開幕が予定されている東京パラリンピックにおいては、全国各地で聖火のための「採火式」が実施される。陸前高田市では小友町の気仙大工左官伝承館にあるガス灯モニュメント「3・11希望の灯り」から採火。同館関係者らは「阪神淡路大震災の被災地から寄せられた追悼と復興の火が、東京大会に出場する選手たちを激励する明かりになってほしい」と願う。
 全国各地から種火を集めて、一つにともされるパラリンピックの聖火。本県では8月に県内各地で式典が実施される予定となっている。住田町では8月15日(土)に開かれる成人式において、火縄銃を用いて採火。大船渡市では8月16日(日)、越喜来漁港で開かれる「三陸港まつり」の際に種火がとられる。
 また、陸前高田市では8月13日(木)に、「3・11希望の灯り」から採火されることになっている。
 「希望の灯り」は阪神淡路大震災の被災地・神戸市の「東遊園地」にあるモニュメント。平成23年に東日本大震災が発生したのち、神戸市の団体が陸前高田市への支援を行った縁で同市への分灯が決まり、同年12月に「3・11希望の灯り」として開設された。以後、犠牲者を悼み、復興への道を照らす火として、市内外から大勢の人々が手を合わせに訪れる。 
 分灯の際にかかわり、同館へのガス灯設置に尽力した1人である箱根振興会の藤原直美会長(76)は、採火式について「再び陸前高田に注目が集まる貴重な機会」と歓迎。「自分たちも神戸からの火に力をもらった。今度はこの『希望の灯り』が、アスリートたちの力になるようであれば」としている。