開設5年目も活気継続 中心型よりあいカフェ 休止期間には〝見守り〟も 住田

▲ 高齢者らのいこいの場として定着している「しょうわばし」

 住田町地域包括支援センターと町社会福祉協議会が平成27年度から展開し、高齢者らの住民交流や居場所づくりを目指す「よりあいカフェ」。開設5年目となる令和元年度は「中心型」を3カ所に設け、年間延べ利用者は2347人に達した。新型コロナウイルスの感染防止策で今月は休止しているが、町社協では利用者宅を訪ねるなどしてつながりを保ち、4月以降の再開に備えている。
 よりあいカフェ事業は、誰もが気兼ねなく寄り合える場を町内に設け、日中に一人で過ごしがちな高齢者や障害者らの居場所づくりを図る取り組み。利用者間やボランティアとの交流を通して生きがいを見いだし、介護予防と社会参加を推進する目的もある。
 町内の小地域単位で設ける「地域型」と、「中心型」の「しょうわばし」「あんるす」「なるせ」に分かれる。中心型は同センターと社協、一般社団法人・邑サポート、地域ボランティアらが連携し、運営している。
 中心型のうち、気仙川に架かる昭和橋の突き当たりに位置し、商店街沿いに構える「しょうわばし」。平成27年6月以降、毎週火曜日の午前9時〜午後3時に開設している。
 元年度の利用実績をみると、年間開設回数は43回で、利用者総数は1431人。1回当たりの利用者数は33・3人で、毎回多くの高齢者が笑顔を交わす。
 また、上有住集会センターで毎週水曜日午前9時〜正午に開設している「あんるす」の年間開設回数は37回で、利用者総数は346人。1回当たりの利用者数は9・4人となっている。
 「なるせ」は下有住地区公民館で毎週木曜日に同時間帯で開設。本年度は44回開かれ、1回当たりの利用者は13・0人だった。
 社協スタッフの世話を受けるだけでなく、利用者間で自由に過ごしたり、面倒を見合うなど〝コミュニティー〟の定着も見られる。60〜90代の在宅高齢者の利用が多く、同年代の地域住民について「最近顔を見なくなったから、元気にしているか心配」といった情報が得られるなど、地域の見守り充実にもつながっている。
 3カ所とも、今月は第1週から休止中。社協スタッフは普段利用する独居高齢者の自宅を回り、再会を心待ちにする思いをしたためた手紙などを手渡しながら、つながりを維持している。
 地域型カフェは元年度、民家や集会所、自治会館など16カ所で開設。地域住民が運営を担い、それぞれ工夫を重ねながら月1、2回のペースで開催してきた。
 中心型、地域型ともに、来年度も本年度と同様の運営を計画。地域型では、大股地区の1カ所で新設準備が進んでいる。