「住高チャレッジ」始動へ 来年度の生徒支援方針示す 教育コーディネーター報告会 住田(別写真あり)

▲ 来年度の運営方針も示された報告会

 住田町教育委員会による教育コーディネーター活動報告会は24日夜、町役場で行われた。県立住田高校敷地内に開設している「住高ハウス○○」を拠点とした活動成果を振り返ったほか、来年度は「住高チャレッジ」を始動させ、イベント参加や他高校との交流事業、生徒たちの多様な体験を後押しする計画を説明。出席した町職員とともに、さらなる支援充実を見据えて意見交換も行った。
 町教育委員会は一昨年10月から県立住田高校の研修会館内を開放し、コーディネーターが中心となって放課後の同校生徒たちが自学自習などに励む環境を整備。自学自習スペースに加え、くつろぎながら生徒やスタッフらと会話ができる談話室も設けた。
 月~木曜日を中心に、授業後の午後4時から開放。本年度は1日平均13人の利用があった。町教育委員会の教育コーディネーターとして採用されている小宅優美さん(28)らが生徒や社会人らとの対話を重ね、多様な活動ができる環境整備にも力を入れてきた。
 報告会は本年度の成果共有を図ろうと企画し、町職員ら15人が出席。小宅さんは、卒業生をはじめ社会人を招いた「かたらっせん」や英検対策講座に加え、まち家世田米駅で行われたイベントへの参加など本年度の活動を紹介した。
 そのうえで、成果として▽生徒との信頼関係の構築・基礎学力向上▽高校との連携体制確立に向けた信頼関係の構築▽地域に開かれた場づくり──などを挙げた。
 来年度の運営面では「住高チャレッジ」の始動計画を説明。名称は「チャレンジ(挑戦)」と「エンカレッジ(励ます)」を組み合わせた造語で、「何かチャレンジをしてみたい」といった思いを抱く生徒を受け入れ、学校の部活動との兼部も可能とする。
 活動のうち「まち部」では、住田町で開催されるイベントの運営ボランティアや出展者として参加。「つながり部」では、他地域の高校生との交流事業開催に向けて企画・運営を担う。「DIY部」ではデザインや華道など、生徒たちの挑戦を後押しする。
 来年度は小宅さんに加え、これまで住高ハウスの運営に関わってきた町内在住の小向はるかさん(36)、気仙沼市の若林詩織さん(26)の3人体制で運営。地域とのさらなるつながりを見据え、町職員らの協力を広く求めていく方針も示し、理解を求めた。
 小宅さんは、同高校の入学者数20人以上を確保していく「高校存続」から、中山間地域の未来を担う人材育成を見据えた「魅力向上」への移行を強調。「『2歩目を踏み出すお手伝い』をスローガンにしたい。1歩目は失敗に終わることもあるが、失敗しても大丈夫と励まし、2歩目を頑張って踏み出せる環境をつくっていきたい。地域で何かをしたいというアクションは今後広がる」と述べた。
 出席者間では、住田の良さや足りない部分を出し合うワークショップの時間も。意見交換を通じ、住田高校の活気につながる積極的な参画への意識を高めていた。