夜空に響くメッセージ  花火と太鼓演奏が共演 インターネットでライブ配信 陸前高田(別写真あり)

▲ 氷上共鳴会の演奏とともに大輪の花火が打ち上がった

 陸前高田市高田町の夢アリーナで28日夜、「世界の平和を願う花火」(同実行委員会主催)が打ち上げられた。山梨県で花火の製造販売を手掛ける㈱マルゴーによる花火をバックに、同市の太鼓団体「氷上共鳴会」(鈴木武幸会長)が演奏。5分間の〝共演〟の模様はインターネットでライブ配信され、陸前高田から「今できることをみんなで頑張ろう」というメッセージを発信した。

 

 世界の平和を願う

 

 花火の打ち上げと太鼓演奏は当初、29日にコミュニティホールで予定されていた「全国太鼓フェスティバル」の前夜祭プログラムとして行われる予定だった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のためイベントと前夜祭はいずれも延期された。
 一方、「東日本大震災の発生した3月には、世界の目が東北地方に集まる。今こそ陸前高田から何かしらメッセージを発信したい」と、同フェス運営メンバーや気仙在住有志らが「世界の平和を願う花火」実行委として、太鼓と花火の共演を企画。感染症のまん延で世界中に暗たんとした空気が漂う中、少しでも明るい気持ちになってほしいという願いを込めた。
 同日は、氷上山頂から眺めた陸前高田の風景をイメージしたという、同会オリジナル楽曲『雄弾』の演奏開始と同時に、約200発の花火が打ちあがり、5分間にわたって陸前高田の〝鼓動〟を世界に伝えた。
 太鼓フェス実行委員会代表で氷上共鳴会の佐藤勝さん(39)は「イベントが延期になったことはくやしいが、9月末から10月にかけてのどこかで必ず実現させる。コロナの影響で暗い空気が広がる中、かたちは変われども太鼓で皆さんを元気づけることができたのかなと思う」と話し、本番に向けて弾みをつけた。
 この共演の模様は、YouTube(ユーチューブ)「三陸おもてなしレンタカー公式チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCnFQF2gCVELytxVp6wDUAPA)で、4月15日(水)までアーカイブ配信される。