「川の駅」に新食堂 地元夫妻が経営し3日オープン 陸前高田(別写真あり)

▲ 川の駅内に新しく食堂を立ち上げる菅野さん夫妻と息子の尊斗(みこと)君。定食類も豊富にそろう

定食や麺類豊富に

 

 陸前高田市横田町の地域資源活用施設・川の駅よこた内に3日(金)、食堂「はしもっちゃん」(菅野美智代代表)がオープンする。同町在住の菅野さん夫妻が経営。今年1月まで同駅で営業していた「かあちゃん食堂せせらぎ」と同様、2人は「地元の方から愛される店にしていきたい」としている。
 同店は、「せせらぎ」が閉店するにあたり、「地元で引き継げる人がいないか探している」と聞いた美智代さん(49)が、夫の勝さん(50)に「一緒にやろう」と持ち掛け、開店に至った。店名の「はしもっちゃん」は、菅野家の屋号「橋本」からとったという。美智代さんは「早くなじんでいただき、『横田と言えば、はしもっちゃん』と言われるようになれば」と語る。
 震災前に高田町の総菜店に勤め、震災後も調理師として気仙両市の病院で働いていた美智代さんと、キャピタルホテル1000の料理人として勤務していた勝さんは、「いつか自分たちの店を」という思いはかねて持っていたという。
 実は、平成19年に開店した「せせらぎ」の初代代表者である菅野琢子さんは、勝さんの母親。当時はメンバーの女性たちが菅野家に集まって試作を繰り返していたが、このとき味付けを指導したのが勝さんだった。
 ファンに愛され、惜しまれながら閉店した「せせらぎ」だが、野菜たっぷりのラーメンなどに、勝さん直伝でもある「〝懐かしの味〟が感じられるのでは」と美智代さん。〝先代〟と同様、できるだけ横田産の野菜類を使っていきたいとする。
 メニューは、ラーメン、うどん、そば、パスタなどの豊富な麺類と、丼もの、ハンバーグ定食(780円)、チキン竜田定食(750円)といった定食類のほか、ミックスピザ(450円)、ケーキセット(450円)と軽食もそろえ、バラエティー豊か。
 また、つゆの表面をフォーマーで泡立て、まろやかな仕立てにしたカレーうどん(550円)など、ほかにはない料理も。さらに、モクズガニを使った〝横田名物〟として知られる「かにのふわふわ」を、秋のシーズンになったら始めたいという。
 店を引き継ぐことについては悩んだという勝さんだが、「横田の食堂はここだけだったし、せっかくこれまで料理をやってきたので、店を残したいと思った。陸前高田に来る人たち、地元の人たちが気軽に立ち寄り、〝話かだり(おしゃべり)〟してにぎやかに過ごしてもらう場所になれば」と話している。
 同店の営業時間は午前10時〜午後3時30分(水曜・第4日曜日定休)。3日の開店時には先着100人にもちを配るとしている。問い合わせは同店(℡090・6259・4504)へ。