「浜の滞在拠点」拡張 きょう再オープン 海の幸ふるまいセンター 大船渡(別写真あり)
令和2年4月4日付 1面

大船渡市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)や市内の漁業者が出資して設立した海の幸ふるまいセンターは、4日午前10時に再オープンを迎える。団体客に加え、少人数客の利用充実を図ろうと、客席を50席から90席に増やすなど拡張工事を進めてきた。水産の魅力を生かした「浜の滞在拠点」の機能が拡大し、周辺施設の利用と合わせた活性化が期待される。
同センターは、津波復興拠点整備事業区域内の特定業務施設用地(市有地)と換地先の商業地区にまたがる区画に整備した鎌田水産新工場の一角に構え、市魚市場にも近い。平成29年10月のオープン以降、海外からの観光客も訪れ、活況を呈していた。
オープンから2年を過ぎても平日でも満席の時間帯が相次いでいた一方、新型コロナウイルスの感染拡大防止で先月上旬から学校休校措置が始まり、子育て世代の従業員が休みを取る動きも目立ち始めた。こうした状況を受け、先月11日から臨時休業し、拡張工事を進めてきた。
拡張により、食堂は個人客を中心に滞在しやすいカウンター席や、4人前後で利用できるテーブル席を確保。従来からある8人前後のテーブル席の機能を生かすことができ、団体客と個人客ともにくつろぎやすい空間を整えた。
休業前と同様、産直スペースでは市魚市場から仕入れた旬の魚や地元のカキなど新鮮な海産物、同社の加工製品、冷凍食品も並ぶ。カキの食べ放題や、海産物を調理しての飲食など〝浜どこ〟を生かしたサービスに対応する。
玄関付近には、大型サンマ船で使用していたスクリューも新たに設置。本州一の水揚げを誇る大船渡港をアピールする観光拠点を担うべく、外観も充実を図った。
近隣では、県による大船渡港野々田地区緑地公園(愛称・サン・アンドレス公園)の復旧工事が進む。今夏には利用開始が見込まれ、魚市場などとの相乗効果も期待できる。町内での回遊性を持った観光の一助となりそうだ。
鎌田水産の鎌田和昭会長は「遠方客や地元の方々が、ともに大船渡のおいしいものを楽しんでほしい」と、力を込める。
海の幸ふるまいセンターの営業時間は、売店部門が午前7時30分~午後7時。食堂は午前11時~午後7時。定休日は毎週水曜日。問い合わせは同センター(℡22・8310)へ。