11日に待望のオープン 震災復旧の市民文化会館 陸前高田(別写真あり)
令和2年4月7日付 1面

東日本大震災の津波で被災した市民会館と中央公民館の機能を併せ持つ陸前高田市民文化会館(佐藤伯一館長)は中心市街地に整備され、11日(土)に開館する。6日、報道陣向けに施設が事前公開された。600人以上収容可能なホールをはじめ、芸術・文化など多様な分野で市民らが活動、交流する拠点となるもので、13日(月)から一般利用が開始される。
事前公開には、報道陣10社15人が参加。佐藤館長や市の佐藤由也市民協働部長が館内を案内した。
新たな会館は、商業施設「アバッセたかた」のそばにあり、平成30年6月に着工。敷地は1万4207平方㍍で、旧市民会館部分が鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨造り)3階建て、旧中央公民館分が木造平屋で、延べ床面積は合わせて3591平方㍍。総事業費は27億4890万円で、災害復旧費補助金、震災復興特別交付税を充てた。
640人がゆったりと座れるホール、実習室2部屋、和室3部屋、多目的室3部屋、防音設備を完備した練習室3部屋、ホワイエ2カ所などを配し、幅広い用途で利用可能。施設中央は中庭を囲む回廊型に設計し、中庭を使った屋外イベントも想定している。
誰もが住みよいまちを目指し、市が推進する「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」にも結びつけ、施設は年齢や障害の有無を問わずに利用できるような「ユニバーサルデザイン」を採用。ホールは車いすの人もスムーズに登壇でき、客席には車いす用スペース8区画、ガラス張りの親子席7席もある。
指定管理者は、市の行政事務の包括業務委託を受ける共立メンテナンス陸前高田営業所(須賀佐重喜所長)が担う。愛称は公募したうえ、広田小の児童が考案した「奇跡の一本松ホール」に決まった。
11日は、現地で開館記念式典を行う。新型コロナウイルス感染予防のため出席者数を絞り、式典の時間も短縮する。当初予定していた式典後の名古屋フィルハーモニー交響楽団による記念コンサートは中止する。12日(日)は午前9時から午後3時まで一般向けに施設内を公開する予定。
市は5月28日(木)まで、市役所2号棟2階の市民協働部まちづくり推進課で、同コンサートのチケット代金の払い戻しを行っている。問い合わせは、同課(℡54・2111内線281)へ。
佐藤館長は「市民が楽しく利用し、地域が元気になるような施設となるよう管理していく」と意気込む。