春の空を優雅にそよぐこいのぼり 大船渡の加茂神社 ウイルス収束への願いも(別写真あり)
令和2年4月8日付 6面

▲ 願いを乗せたこいのぼりがサクラが咲き誇る境内上空を優雅に泳ぐ
大船渡市大船渡町に鎮座する加茂神社(荒谷貴志宮司)では現在、色とりどりのこいのぼりを掲げている。境内のサクラも見ごろを迎え、この時期しか見ることのできない春ならではの風景が広がっている。
同神社では、十数年前から子どもが成長して使わなくなったこいのぼりを総代らが持ち寄り、境内に掲揚。しばらく中断した期間もあったが、平成30年に再開され、現在まで続いている。
今月5日に関係者らが集まり、作業を実施。昭和35年のチリ地震津波翌年に設置された高さ約24㍍の「津波警報塔」を頂点としてロープを張り、まごいとひごいをはじめ、さまざまな大きさや色の合わせて十数匹を掲揚し、男の子の健やかな成長を願うとともに、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの早期収束への祈りも込めた。
同神社は海抜40㍍ほどの高台に位置。そこに立つ警報塔を中心に連なるこいのぼりは、周囲の低地からも望むことができ、チリ地震津波や東日本大震災の教訓である「有事の際は高台へ逃げる」というメッセージも発信している。
7日には、こいのぼりと見ごろを迎えた境内のサクラを見学する親子連れの姿も。同ウイルスの影響で自粛ムードが漂う中、春の空を気持ちよさそうに泳ぐこいのぼりに目を細めていた。
同神社総代会の漉磯義郎さんは「この大変な状況が少しでも早く収束へと向かってくれたら」と話していた。