2020大船渡市議選/21人出馬できょう告示 20議席巡り1週間の舌戦へ

 任期満了に伴う大船渡市議会議員選挙(定数20)は、きょう19日に告示される。予想される立候補者は現職14人、元職2人、新人5人の計21人。前哨戦終盤に定数を1人上回る構図が固まり、にわかに関心が高まってきた。各陣営とも告示に備えて体制を整えた半面、支持拡大と新型コロナウイルス感染拡大防止の両立に頭を悩ませる。26日(日)の投票に向け、いよいよ少数激戦の幕が開ける。

 

各陣営は臨戦体制

 

 立候補の届け出は、19日午前8時30分から午後5時まで、市選挙管理委員会(市役所地階会議室)で受け付ける。開始前に到着した候補者については、抽選で受け付け順を決定。受け付け開始時間経過後は、会場到着順に届け出となる。
 書類審査に続き、街頭演説用標旗、腕章など選挙の〝七つ道具〟と、明るい選挙のシンボル「白バラ」を交付。今回は各陣営に対して▽換気の悪い密閉空間▽大勢がいる密集場所▽間近で会話する密接場面──の「3密」を避けるなど感染防止対策を取るよう求める文書も添える。
 手続きが終了した陣営から選挙活動がスタートし、午前9時頃から各候補の事務所前などで第一声が響き渡る。その後、市内各地に選挙カーが繰り出し、支持を求める。
 多くの陣営では18日の段階で、候補者名の部分には幕をかけた状態で看板を設置。同じく遊説用の車両も待機するなど、7日間の選挙戦に向けた準備が整いつつある。
 ポスター掲示板は、市内190カ所の設置がすでに終了。届け出順確定直後から各陣営による張り出しが行われ、横長の木製板に21人の顔写真や訴えが並ぶ。通常の選挙はがきに加え、今回から「選挙ビラ」の活用も可能になった。
 今市議選は昭和27年の市制施行から数えると通算18回目で、平成13年の三陸町との合併後は5回目。東日本大震災発生以降は3回目となる。
 今年は震災発生から10年目、来年は三陸町との合併から20年を迎える。少子高齢化や人口減少への対応に加え、合併建設計画や復興事業で整備された地の利活用、時代や地域資源に対応した産業振興など、持続可能なまちづくりに向けて論戦すべき課題は多い。
 一方で、行政や産業、住民生活における喫緊の課題は、新型コロナウイルス感染拡大対策。選挙期間中の感染拡大防止策の徹底のみならず、身近な不安や経済面などの影響に寄り添う姿勢をどう示すかも問われる。
 今選挙を巡っては出馬表明の動きが鈍く、一時は初の無投票も囁(ささや)かれた。告示1週間前を切った段階で出馬表明者が定数を超えたため、前回選で75・70%だった投票率も含めて情勢は見極めにくい。
 立候補人数は前回選よりも3人減と見込まれることから、現職はさらなる上積みに向け、勇退議員らが地盤としていた層や地域票への浸透が不可欠。集票未知数の元職、新人が多く、これまでにない混戦が市内全域で展開されそうだ。
 先月2日現在の有権者数は、3万1054人(男1万4785人、女1万6269人)。平成28年の前回投票日に比べ、630人少ない。