新型コロナウイルス/不透明な先行きに不安 「5月から出荷できるのか…」 採れたてランド生産者 陸前高田

▲ 育苗中の苗をチェックする佐藤さん


 新型コロナウイルスの感染が拡大している影響で、5月6日(水・祝)まで臨時休業している陸前高田市の道の駅「高田松原」。同駅で農作物を販売する農事組合法人・採れたてランド高田松原(熊谷恭雄組合長)の組合員らが、今後の感染症の行方に不安を募らせている。幸いこの時期は、葉菜類の収穫が最終盤のため、休業により「行き場を失った」野菜は限定的だが、今後は野菜の苗などの出荷を控えており、仮に休業期間が延びた場合、大きな痛手となる。同法人は「早く収束してほしい」と願いつつ、休業の間、別の場所で販売するなど対策を探っている。

 

入居の道の駅が休業中

 

 「予定通り育っている。毎日大変だけど、作物の成長に向き合うのは楽しい」。
 そう語るのは、同法人理事の佐藤信一さん(71)=矢作町。目の前に広がるナス、トマトなどの苗約2500ポットは、5月中旬から道の駅に出荷する予定だ。
 野菜の苗のうち、約600ポットは病害虫や連作障害に強く、生産性に優れたナスの接ぎ木苗。実生の苗よりも育苗の手間がかかるが、その分消費者からも人気だという。
 自宅前に全部で7棟ある農業用ハウスで育ててきたホウレンソウや小松菜など葉菜類は、昨年11月から出荷し始め、今残るのはごく一部。収穫を終えた場所を使って野菜の苗を育て、その後はキュウリの露地栽培など夏秋野菜へと移行していく。
 佐藤さんは「不幸中の幸いで、今は出荷する野菜が少なかったので、そんなに深刻なダメージではない。ただし休業期間が延びたりすれば傷口が広がる」と、不透明な先行きに不安を抱える。
 同法人は、旧高田松原物産館で産直を営業。東日本大震災の津波で同館が被災し、その後、竹駒町の国道沿いの仮設店舗に移転。昨年9月、待望の道の駅が高田松原津波復興祈念公園内にオープンし、本拠で再スタートを切った。
 組合員数は市内を中心とした約70人。このうち、道の駅のみに出荷しているのは佐藤さんを含めて約20人で、新型コロナウイルスの行方が経営を左右する。現在、市内外の産直や市、道の駅などの協力のもと、休業期間中の別の販売場所確保を検討している。
 熊谷組合長は「多くの関係者に協力してもらい、その思いがありがたい」と感謝し、「感染拡大が収まらなければ死活問題。応急的にはなるだろうが、対策を考えなければいけない」と力を込める。