地域の交流、発展へ連携 2自治会と事業者が協定 BMXスタジアム拠点に 大船渡(別写真あり)

▲ 甫嶺、上甫嶺両自治会と合同会社TXFが連携協力に向けて協定を締結

 大船渡市三陸町越喜来の甫嶺自治会(及川哲会長)と上甫嶺自治会(清水久雄会長)、同市赤崎町の合同会社TXF(福山宏代表社員)は20日、甫嶺地域防災コミュニティセンターで、連携協力に関する協定書を締結した。旧甫嶺小校舎を改修、整備する交流・宿泊施設「(仮称)甫嶺復興交流推進センター」の敷地内に同社が来月開設するBMXスタジアムを拠点に、3者が交流、発展を図ろうとのもの。3者は締結を機により連携を深め、地域活性化や人材育成、産業発展などに取り組んでいこうと誓い合った。

 

旧甫嶺小に来月開設

 

 (仮称)甫嶺復興交流推進センターは、被災者や地区住民らの生きがいにつながる各種サークル活動、なりわいの場を創出するとともに、これらの活動を体験プログラム化し、民間が提供するアクティビティや既存の観光資源等と結びつけて観光活性化、交流人口拡大を図る施設。整備に当たっては、甫嶺、上甫嶺両自治会、越喜来地区公民館(鈴木健悦館長)といった地元関係機関とともに検討を進めてきた。
 同センターでは、地区内外の住民らによる活動や交流、自転車BMX、スキューバダイビングといった地元体験プログラムの提供、滞在型観光に対応する宿泊などを行う。校舎内には、多目的利用スペースや72床のドミトリーなどを設けるほか、体育館にはBMXやスケートボード、インラインスケートにも対応した室内パークを開設する。
 校庭には、TXFが敷地の一部を借り受け、北海道・東北地区では初の全日本BMX連盟公認コース「(仮称)三陸BMXスタジアム」を整備。協定は、甫嶺、上甫嶺両自治会と同社が相互の信頼関係をもとに、同スタジアムを拠点とする交流、将来にわたる発展を図ろうと行った。
 締結式には及川、清水両会長、福山代表社員のほか、立会人として戸田公明市長、鈴木館長が出席。用意された協定書5通に5人がそれぞれサインし、締結した。
 地域を代表し、及川会長が「5年ほど前から甫嶺地区の復興に向けて知恵を絞ってきた結果、BMX事業による誘客を目指すTXFとともにこの地域をよりよくしようと協定締結に至り、喜んでいる。これがスタートであり、交流促進につながるよう、体験プログラムの工夫など一層の準備をしていきたい。これまで以上に精進していく」とあいさつ。
 福山代表社員は「甫嶺の方々が非常に協力的で、この地域を絶対によくしていきたいという強い意志を持っていたからこそ、われわれもこの事業に踏み込めた。一事業者がやるのではなく、地域と一緒になって育てていく事業。協定を結べたことをうれしく思う」と述べた。
 戸田市長は「3者が協定を結ばれたのは、大変意義深いこと。復興の後を目指し、ともに手を携えて前進していきたい」と、プロジェクトの成功に期待を込めた。
 同センターは現在、市が整備を進めており、工事は今年9月中旬までを見込む。10月からの供用を目指し、関係機関では準備を進めていくという。
 屋外のBMXスタジアムは、これに先駆け5月9日(土)にオープンを予定。TXFが昨年9月から整備を進めてきた。最大8人までが競争できる最大延長400㍍のレースコースで、プロ用レーンも完備。コース内には、高さ5〜6㍍のスタートレーンやジャンプ用のセクション(こぶ、高さ50㌢〜2㍍)などを設ける。
 同社によると、レースコースと屋内パークを併設した施設は、同センターが全国初になるという。BMXスタジアムは当面、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、同社が運営する気仙のクラブチーム「ストリートモンスター」のみの利用となる見通し。