新型コロナウイルス/セールやPRを自粛 アバッセたかた きょう開業3周年 陸前高田(別写真あり)

▲ 持ち帰り用の塗り絵などをプレゼントする従業員

 陸前高田市高田町の商業施設「アバッセたかた」は27日、開業から3年の節目を迎える。大型連休に合わせた多彩なイベントで、4年目の好スタートを切ろうと準備してきたが、新型コロナウイルス感染拡大で初めてセールを見合わせ、大々的なPRも自粛。年間のレジ通過者(市立図書館入館者を含む)が年々上昇していた中での急停止となったが、従業員は「地域への感謝は伝えたい。感染予防を徹底し、その中でできることを考えていく。ピンチをチャンスに変えないと」と前向きだ。

 

節目のGWに異例の難局

 

 25日からは専門店街パブリックスペースで、子どもたちに持ち帰りグッズとして塗り絵や折り紙のプレゼントを始めた。期間は5月6日(水・祝)までで、各日午前10時〜午後5時に配っている。
 オープン記念と大型連休に合わせた各店によるセールは中止。当初、市内外に置くため2万枚刷る計画だったチラシは掲載内容を変え、最終的に3000枚に減らし、アバッセ内のみで配っている。
 コンサートやワークショップ、子ども向け遊具設置などのイベントも取りやめた。駐車場で行う恒例の餅まきは密集を避けるため見合わせ、代わりに26日、各店の買い物客にくじ付きの餅をプレゼントした。
 アバッセは、かさ上げした市街地のにぎわい創出の核を担う施設として平成29年4月にオープンした。
 レジ通過者とアバッセ併設の市立図書館入館者数を足した来店者数は、1年目が約112万人、2年目が129万3000人。周辺には共同店舗や個店が増え、相乗効果で集客を図っている。
 3月末までの3年目は、集計中の一部店舗を除いて130万5000人と前年を上回り、売り上げも微増。ただ3月の客数はスーパーなどで伸びた一方、飲食店をはじめ新型コロナウイルスで大きく落ち込んだテナント店も目立ち、明暗が分かれた。
 来店者や従業員の安全を確保しようと、専門店街は今月19日から営業時間を短縮。独自に臨時休業するテナント店も見られ始めた。
 専門店街を運営する高田松原商業開発協同組合(伊東孝代表理事)の菅原香事務局長は「新しい売り方を考えるなど、何ができるか見直すきっかけとしたい。地域の人たちに日常生活で必要な商品を届ける努力を続けていく」と話している。
 市立図書館は5月11日(月)まで臨時休館。営業時間は同6日まで専門店街が午前10時〜午後6時で、マイヤ高田店は29日(水・祝)から5月6日まで閉店時間を午後9時から午後8時30分に変更した。