全ての小中学校で減少 児童生徒数3517人 24年度比で28%減 気仙
令和2年4月30日付 7面

気仙各地の小中学校が新学期を迎えてから、1カ月が経過しようとしている。令和2年度当初における3市町全体の児童生徒数は、小学生が2274人(前年度比52人減)、中学生が1243人(同77人減)で合計3517人(同129人減)。すべての小中学校で前年度を下回り、3市町の小中学校合計を8年前の平成24年度と比較すると、減少率は28・1%(同2・6ポイント減少)となり、少子化の深刻さが増していることが分かった。
少子化の深刻さ増す
本年度、気仙の小中学校数は、大船渡市が11小学校、5中学校、陸前高田市が8小学校、2中学校、住田町は小中ともに2校。大船渡市の中学校において、4月に第一と日頃市、越喜来、吉浜が統合したことから、前年度から3校減った。
各市町の教育委員会によると、市町別における本年度の児童生徒数は、大船渡市が小学生1423人(前年度比34人減)、中学生763人(同40人減)の合計2186人(同74人減)。陸前高田市は小学生683人(同14人減)、中学生383人(同33人減)の合計1066人(同47人減)。住田町は小学生168人(同4人減)、中学生97人(同4人減)の合計265人(同8人減)で、中学生は初めて100人台を切った。
平成24年度からの推移をみると、同年度は3市町の小中学校合わせて4897人だったが、25年度以降は120人〜220人台で減少。29年度には4000人台を割り、本年度は3500人台となった。
本年度と24年度を比べると、3市町の合計は1380人(28・1%)減少。大船渡市は小学生365人(20・4%)減、中学生357人(31・9%)減で、合計では722人(24・8%)の減。
陸前高田市は小学生319人(31・8%)減、中学生208人(35・2%)減となり、計527人(33・1%)減った。住田町は小学生97人(36・6%)減、中学生34人(26・0%)減で、合計では131人(33・1%)減少した。
本年度の全校児童数をみると、最多は猪川(大船渡市)の296人で、最少は矢作(陸前高田市)の19人。
学年あたり2クラス以上あるのは、大船渡市の猪川(全学年)、立根(3、6年生)と、陸前高田市の米崎(5年生)。
一方、複式学級編成は、大船渡市が吉浜の3・4年と5・6年。陸前高田市は気仙の5・6年、矢作の1・2年、3・4年、5・6年、竹駒の2・3年、横田の2・3年。住田町は有住の3・4年。陸前高田市では、半数の小学校で複式学級編成が生じている。
新小学1年生は、大船渡市が217人(同22人減)、陸前高田市が104人(同8人減)、住田町が28人(同9人増)で、合計は349人(同21人減)。
学校別でみると、最多は猪川の40人で、最少は気仙の3人。10人を割った学校は、大船渡市が日頃市と吉浜、陸前高田市が気仙、矢作、竹駒、横田、住田町が有住となった。
新中学1年生は、大船渡市が243人(同19人減)、陸前高田市が117人(同14人減)、住田が31人(同9人増)で、合計は391人(同24人減)。学校別の最多は第一(大船渡市)の128人、最少は有住(住田町)の10人だった。
少子化対策としての教育環境の充実などが求められる一方、本年度の学校教育には新型コロナウイルスの影響も大きく影を落とす。
気仙3市町の小中学校は、感染拡大防止の観点から5月6日(水)まで休校措置がとられている状況。収束のきざしが見えない中、子どもたちを感染症から守る環境を保ちながら教育活動を進めていけるかが、喫緊の課題といえそうだ。