新型コロナウイルス/「普通の登校風景」戻る 小中学校が一斉に再開 高校など県立学校も 気仙(別写真あり)

▲ 半月ぶりに小中学生の登校風景が戻った大船渡市内

 新型コロナウイルス感染拡大防止策としての臨時休校や大型連休を終え、気仙3市町の小中学校や県立学校では7日、一斉に授業を再開した。大船渡市と住田町内の小中学校は16日ぶりで、陸前高田市内の小中学校や県立学校は9日ぶり。児童・生徒らはマスク越しに笑顔を浮かべ、元気よくあいさつを交わしていた。


陸前高田市は8日ぶり

大船渡市、住田町は半月ぶり

 

 「おはようございます」「行ってらっしゃい」。さわやかな青空が広がった7日朝、大船渡市大船渡町笹崎の歩道橋下では、大船渡小児童や大船渡中生徒が歩いて登校し、街頭に立つ市交通指導隊員らと久しぶりに対面した。
 25年以上にわたり市交通指導隊員を務め、歩道橋下を〝定位置〟としている同町の阿部なつ子さん(68)は「子どもたちのハツラツとした姿を見ることで、こちらも元気をもらえる。やっぱりみんな、学校が大好き。普通の風景ではあるけれど、再開して私もうれしい」と話し、笑顔を見せた。
 児童・生徒のほとんどはマスクを着用し、カラフルな布製も目立った。休業中に終えた宿題などを携え、友達の姿を見つけてはうれしそうな表情を見せていた。
 大型連休が明け、国道45号の通勤風景も通常通り。自転車で向かう高校生の姿に加え、歩道橋近くに伸びるJR大船渡線BRTの専用道では利用客を乗せた赤色のバスが往来した。
 新型コロナウイルスが国内でも猛威を振るい、先月16日には緊急事態宣言の対象が岩手県を含む全都道府県に拡大された中、大船渡市と住田町内の小中学校は先月22日から休校。中学校は部活動も休止となり、学びやは静けさに包まれた。
 また、保育所や保育園、こども園、学童施設では、自宅などで保育が可能な家庭における子どもたちの登所・登園自粛を要請。こうした自粛要請も、7日までに解除された。
 陸前高田市内でも児童・生徒の安全を守るため、先月17〜24日に小中学校10校が休校に。各校は27日に再開したが、県教委の方針に準じて大型連休の人の移動を最小に抑えるため、県立学校と同様に29日〜5月6日の期間を再び休校としていた。
 再開した学校の多くでは、当初の予定通りの時間割で授業などを実施。一方、小中学校で例年5月に予定している運動会は延期が決まるなど、今後も多方面での影響長期化が見込まれる。

 

スポ少活動は当面自粛を
陸前高田

 

 陸前高田市教委は7日以降も当面の間、市内中学校に対し、部活動で他校との対外試合を自粛するよう呼びかけている。校内での練習などの活動は認める。スポーツ少年団は、複数校で結成しているチームもあることから、引き続き活動を自粛するよう市が市スポ少本部に通知した。
 新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、同市では県教委の方針に合わせ、小中学校の臨時休校期間の4月29日から今月6日まで、部活動やスポ少の活動を禁止とした。
 学校は7日に再開したことを受け、部活動に関しては「平日2時間以内、休日3時間以内」の従前の方針を守り、感染予防策も講じたうえで活動可能とした。
 一方、スポ少の活動は7日以降も当面自粛するよう市が協力を求めている。活動再開の時期については、国、県の動向を踏まえて決めることとしている。