年度内の完成目指す 市道高田米崎間道路 高台とアップルロード結ぶ

 陸前高田市は、高田地区の高台と主要地方道大船渡広田陸前高田線(通称・アップルロード)を山側で東西に結ぶ市道高田米崎間道路(仮称、延長約2㌔)を、本年度内の完成を目指して整備している。アップルロードから県立高田病院へ東日本大震災の津波が浸水したエリアを避けてスムーズに移動でき、往来の利便性が大幅に向上する。防災や交流人口の拡大、観光振興などの面でも効果が期待される。

 

防災、地域活性化へ効果期待

 

 市道高田米崎間道路は、高田地区の高台住宅や県立高田病院、高田小学校前を通る高田北幹線(延長1・2㌔)の東端から、アップルロード(同26・1㌔)西端の間を山側で結ぶ新設道路。震災復興計画(平成23~30年度)を継承するまちづくり総合計画(31年度~令和10年度)前期基本計画でも道路整備に関する主要施策の一つに挙げている。
 平成25年度に事業着手。用地交渉や測量・設計を進め、27年度に着工した。総事業費は20億円程度を見込み、国の社会資本整備総合交付金(復興枠)を充てる。
 幅員13・5㍍の2車線で、道路両側に歩道と路肩を設ける(一部片側のみ)。橋梁は浜田川の1基に加え、立体交差する既存路にも1基整備する。
 市によると、昨年度末までに事業費ベースで約6割を発注済み。10以上の工区に分けたうえで工事を進めており、すでに延長約200㍍の佐野工区が完成している。
 同市は震災で国道45号をはじめ主要道路が津波被害を受けた。一時、山側を通る農免道路の交通量が増加したが、線形不良などで安全面に課題があった。
 市は、震災を教訓に幹線道路の整備などを通じた多重防災型のまちづくりに力を入れており、昨春には、海側から山側へ南北を結ぶ広幅員の主要避難路「シンボルロード」が開通。一部開通済みの高田北幹線を含め、まちの道路交通網は着実に延伸している。
 市幹線道路対策室の大友真也室長は「防災、医療、産業面などでも効果が期待され、かつ安全・安心の確保につながる道路。本年度内の完成に向け、多くの関係者にご理解、協力してもらっている。何とか一日も早く完成させられるようにしたい」と力を込める。