21日は3000世帯に支給へ 市議会臨時会で補正予算可決 特別給付金 陸前高田
令和2年5月15日付 1面
陸前高田市議会は14日、臨時会を開き、新型コロナウイルス感染症対策に伴う本年度一般会計補正予算や介護保険特別会計補正予算など議案13件を原案通り可決し、閉会した。全国民に一律10万円を支給する特別定額給付金は、支給開始を予定する21日に全体の4割程度の約3000世帯に振り込みを行う見通し。市独自の支援策として市内四つの就労継続支援B型事業所には、1事業所当たり20万円を支給する。
可決した議案は▽令和元年度一般会計補正予算(第7号)の専決処分▽本年度一般会計補正予算(第1号)の専決処分▽同補正予算(第2号)▽特別職職員の給与並びに旅費、費用弁償に関する条例の一部改正▽介護保険特別会計補正予算(第1号)──など。
このうち、本年度一般会計補正予算(第2号)は、歳入歳出にそれぞれ20億4884万4000円を追加し、補正後の総額をそれぞれ691億8484万4000円とした。
主な歳出は、特別定額給付金支給事業費19億2600万円、緊急雇用助成事業費6300万円、子育て臨時特別給付金支給事業費2030万円、地域企業経営継続支援事業費1470万円、ひとり親家庭支援給付金支給事業費720万円、修学支援事業費273万円など。
特別定額給付金は、国の緊急経済対策の一つ。市では7日に約7630世帯のすべてに申請書を発送し、手続きの受け付けを始めた11日から13日までに、半数を超える約4000世帯が申請を済ませた。
就労継続支援B型事業所への20万円支給は、障害者の業務減少などで収入が減少していることから実施する。事業所からの申請を受け付け、今月下旬にも各事業所の口座に振り込む。
売り上げが前年同月よりも50%以上減った中小企業者に対し、県と市が行う家賃補助(4〜6月の3カ月分)は、市負担分を引き上げ、合わせて4分の3を補助する。さらに、市は20%以上50%未満減収した事業者に対しても独自に家賃(4〜6月分)の半額を補助する。対象は全部で70事業所程度を見込む。
本年度介護保険特別会計補正予算は、歳出に「高齢者見守り事業費」の374万6000円を計上。歳入も同額を追加し、総額を歳入歳出それぞれ26億6685万8000円とした。
この事業は、感染症が重症化しやすい高齢者の見守り充実につなげるもので、対象は70歳以上の単身世帯のうち住民税非課税の約1000世帯。希望者には1食600円の弁当を、市が400円分負担して週に1度、自宅に届ける。弁当は減収に苦しむ市内飲食店・宿泊業者が作り、配達は配送業者に委託する。
15日に対象者に案内書を送り、18〜22日に電話での申し込みを受け付ける。6月1日のサービス開始を目指す。
元年度の一般会計補正予算は、東日本大震災の復旧・復興事業の財源確定などによるもの。歳入歳出ともに2380万4000円を追加し、総額を831億4398万9000円とした。
本年度の人事異動に伴い、市固定資産評価員には市民協働部の伊藤芳光税務課長を選任すると同意した。