新型コロナウイルス/緊急事態宣言 本県など39県解除に 社会・経済活動再開へ

 政府は14日、新型コロナウイルス感染症対策で全都道府県に発令していた緊急事態宣言について、本県など39県の解除した。直近の感染状況や医療提供体制などを踏まえた決定で、各県では今後、感染防止対策に配慮したうえで社会・経済活動を再開させていくこととなり、気仙各市町でも具体的な対応の検討に入る。一方、感染者数が多い東京や大阪、北海道など8都道府県は、引き続き重点的な取り組みを実施する方針だ。

 

8都道府県は「重点的取組」継続

 

 中国の武漢市に端を発した新型コロナウイルス感染症。日本では1月15日に最初の感染者が確認された。今月13日現在の厚労省のまとめでは、岩手を除く46都道府県で合わせて1万6024人の感染が確認され、668人が亡くなり、退院者は9868人となっている。
 感染拡大を受け、政府は4月7日、東京など7都府県に対して不要不急の外出自粛などを求める緊急事態宣言を出した。同16日には対象を全都道府県に拡大し、東京や大阪など13都道府県は特定警戒都道府県に指定。
 宣言の期間は当初、大型連休期間中の今月6日までとしていたが、これに先立つ4日、31日まで延長することを決定。同時に、地域ごとの感染者数動向や医療提供体制のひっ迫状況などを専門家の評価も踏まえて判断材料とし、期間満了を待つことなく14日をめどに解除する方針も示していた。
 この方針に基づき同日、特定警戒都道府県のうち茨城、石川、愛知、岐阜、福岡の5県と、本県など特定警戒以外の34県の解除案について、有識者らで構成する「基本的対処方針等諮問委員会」に諮り、了承(愛媛県は条件付き解除)を受けたうえで国会への報告などを経て対策本部で正式決定した。
 一方、東京や大阪、北海道など特定警戒都道府県の8都道府県については、感染拡大の勢いは鈍化しているが依然として感染者数が多いとして、引き続き不要不急の外出自粛要請など重点的な取り組みを要請する。
 解除の39県には、手洗いやマスク着用、人と人との距離確保、密閉・密集・密接の「3密」回避等「新しい生活様式」の定着、特定警戒都道府県への旅行等の自粛など、感染防止対策の実施を改めて求めている。
 各県では、こうした取り組みを徹底させたうえ、クラスター(感染者の集団)発生や、その恐れがある施設への休業要請などを緩和していくものとみられる。気仙3市町では国や県の方針もみながら、15日から具体的な方針の本格検討を進めていく見通しだ。