県勢功労者に甘竹秀雄氏 元大船渡商議所会頭 地域経済発展に貢献
令和2年5月17日付 1面

甘竹秀雄氏
県は15日、本年度の県勢功労者を発表した。本年度は、元大船渡商工会議所会頭で元いわて未来づくり機構ラウンドテーブルメンバーの甘竹秀雄氏(84)=宮城県仙台市=ら、各分野で県勢に貢献した6人が受賞した。
県勢功労者は、岩手の発展に貢献した個人や団体を表彰するもの。昭和55年度から行っており、本年度で41回目となった。例年、5月25日に表彰式を行っているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から延期(日程未定)した。
受賞者のうち、甘竹氏は大船渡市出身。専修大学を卒業後、広告代理店勤務を経て昭和38年に父が営む甘竹飼料店のブロイラー事業着手を機に帰郷した。
同61年に㈱甘竹ブロイラー(現・㈱アマタケ)代表取締役社長、県ブロイラー事業協同組合理事に就任。ブロイラー生産事業の経営を通じて、県内の産業振興に尽力するとともに、1次産品の高機能化やいわてブランドの国内外展開に努め、本県の経済発展に貢献した。
その後、平成15年には大船渡商工会議所会頭となり、食品製造業の付加価値向上や地産地消の推進を図り、商工業振興に尽力。本県における産学官連携組織・いわて未来づくり機構の設立に携わり、20年の設立後はラウンドテーブルメンバーとして、地域社会の総合的な発展に寄与した。現在はアマタケの相談役を務めている。
甘竹氏は東海新報社の取材に対し、「県勢功労者に選ばれるとは、考えてもみなかったこと。大変名誉であり、県当局に感謝している」と述べた。
これまでについて、「大船渡商議所の会頭として、地元のものを購入してもらい、経済を回すことが大切だと考え、地産地消を進めてきた。大きく言えば、岩手でも同様でなければならないと未来づくり機構に参加し、そこで国際リニアコライダー(ILC)実現の必要性も感じた」と振り返り、「今後も地域経済、大船渡の発展のために力を尽くしていきたい」と誓っている。