新型コロナウイルス/対象世帯の7割が申請 一律10万円の特別定額給付金 気仙3市町
令和2年5月17日付 1面

住民1人に一律10万円を支給する特別定額給付金の気仙3市町における申請件数が、14日時点で約1万7000世帯となり、支給対象の約7割に達した。すでに住田町では15日から振り込みが始まり、気仙両市では週明けから本格化。一方、各市町とも事務手続きに追われているほか、金融機関への口座振り込みなどの問い合わせを控えるよう呼びかける動きも出ている。
書類送付から1週間で
一律10万円支給は、政府による新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に基づく家計支援策の一環。4月27日を基準日として住民基本台帳に記録されている住民らを対象としている。
給付対象世帯は大船渡市が1万4888世帯、陸前高田市が7629世帯、住田町が2141世帯。3市町は7日、申請書を全世帯に一斉送付した。
1週間が経過した14日までの申請状況をみると、大船渡市が1万590世帯で、申請率は71・1%。住田町は1446世帯で、67・5%。陸前高田市は郵便が4448世帯で、持参などによる申請が300件超あり、申請率は60%を超える。
全体でも、約7割にあたる1万6800世帯以上がすでに申請。各市町では給付に向けた対応を急いでいる。
大船渡市では今月1日付で特別定額給付金事務室を設置し、担当職員4人を配置。申請書類の袋詰めや各世帯から届いた書面の入力などには応援職員の手も借りている。
同室では「もれなく給付することが重要。受理した分の支給手続きに加え、対象世帯に郵送して戻ってきたものもチェックし、すべて行き渡るように手続きを進めている」としている。
週明けの19日(火)には約2000世帯、21日(木)には約1000世帯分の振り込みを計画。その後も週2回程度のペースで支給を続けることにしている。
申請書を受理した世帯には順次「通知書」を送付。書面には、支給予定日と振込先の金融機関口座を明記する。さらに「口座振り込みについて、金融機関への問い合わせは遠慮を」と呼びかけている。
申請受付初日の11日には、200人を超える市民らが市役所を訪れたが、12日以降は比較的落ち着いている。市では「3密」を避けるため、同封した専用封筒による郵送を求めている。
陸前高田市では21日に3059世帯分を振り込み後、基本的に週2回のペースで支給する計画。申請後、申請書類に不備がなければ1週間〜10日後に支給できるという。
申請業務を管轄する保健福祉課では「初日から多くの申請があり、市民の関心の高さがうかがえる」としている。
住田町では15日、455世帯に支給。今後も毎週3回、振り込みを行う。高齢または障害などによって申請が困難な世帯のために、町社会福祉協議会が申請書の作成支援を行っている。
郵送申請時には▽申請書(必要事項を記入して押印を)▽マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証、年金手帳など、本人確認書類のコピー(代理人申請の場合は、代理人本人の確認書類)──が必要。申請期限は大船渡市が8月7日(金)、陸前高田市が同31日(月)、住田町が同11日(火)となっている。
問い合わせは大船渡市が生活福祉部地域福祉課特別定額給付金担当(℡27・3111内線400、401)、陸前高田市が特別定額給付金支給室(℡0800・800・9567)、住田町が町民生活課(℡46・2113)まで。