新型コロナウイルス/住田町夏祭り中止に 感染拡大防止を重視

▲ 毎年、気仙に本格的な夏到来を告げてきた住田町夏祭り(写真は昨年の様子)

 新型コロナウイルスの影響によって今年の住田町夏祭り(実行委主催)が中止されることが、19日に開かれた町観光協会第2回理事役員会で決まった。同祭りは町内外から不特定多数の人が集まることから「密集は不可避」とし、感染拡大防止を重視して中止を決定。開催を模索してきた中での苦渋の決断で、事務局の同協会では理解を求めている。

 

密集不可避で開催困難と判断

 

 同祭りは昭和中期、世田米を流れる気仙川にかかる昭和橋のたもとでカラオケ大会を開催したのがはじまりといわれている。毎年7月末に気仙の夏祭りトップを切って催され、中学生の演舞や郷土芸能披露、手踊りなどが展開される伝統行事で、昨年は過去最多となる約3500人が来場した。
 新型ウイルスの感染拡大を受け、町観光協会や商工会、世田米商店会、町婦人団体連絡協議会、町など準備委員会の構成団体がそれぞれ対応について協議。今年は8月1日(土)の開催を予定し、新型ウイルスの流行前は東京五輪にちなんだ企画なども検討していたが、不特定多数が集まるために密集を避けるのは難しいとの判断から、構成団体の意見を踏まえて中止が決定した。
 夏祭りは中止となったが、町観光協会が行っている気仙川沿いの蔵並みライトアップはこれまで通り実施する予定。昭和橋は掛け替えを控えており、来年には現橋が解体されることから、今回はライトアップ期間を例年の半月から1カ月に延ばす考え。
 町夏祭りは平成24年、集中豪雨による被害が生じて中止となって以来8年ぶりの中止。実行委事務局の町観光協会では「皆さんが楽しみにしてくれていたので残念。感染予防の観点から、来場者やスタッフの命、安全を守るための苦渋の決断だった。来年度は何らかの対策をとって開催したい」と話していた。
 新型ウイルスの影響により、気仙では大船渡市の「三陸・大船渡夏まつり」、陸前高田市高田町の「うごく七夕」、気仙町今泉地区の「けんか七夕」といった夏を彩るイベントが相次いで中止となっている。