新型コロナウイルス/苦境打破へ飲食店スクラム 市内23店舗が新組織 うんめぇプロジェクト

▲ 新プロジェクトを生かした活性化を見据えて運営の確認などを行う小松会長㊧と新沼委員長

 新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ大船渡市内の飲食店23店舗が「大船渡・未来の『うんめぇ』プロジェクト実行委員会」を立ち上げ、各店舗で利用できる食事券の購入をインターネットで呼びかける取り組みに挑戦している。10%分上乗せした食事サービスなどを受けられるチケットを2000円から販売し、7月中旬から利用できる仕組みを整えた。参加店は客足が戻ることに加え「飲食店としてできることを仲間やファンと一緒に考え、レベルアップを図りたい」と、力を込める。

 

「未来の食事券」販売
ネットで賛同呼びかけ

 

 このプロジェクトは、団体客のキャンセルや売り上げ減少など2月下旬から打撃を受けている、大船渡市内の飲食店が実行委員会を組織して展開。大船渡商工会議所青年部が立ち上げを後押しし、岩手県飲食業生活衛生同業組合大船渡支部と㈱キャッセン大船渡が協力する。
 加盟する飲食店経営者の多くは、東日本大震災で被災。仮設店舗などでの営業を経て、大船渡駅周辺地区エリアマネジメント推進事業で整備された地などで本設再建を果たし、地元客や近隣に構える宿泊施設利用者らに親しまれてきた。店舗間の連携にも力を入れ、復興を後押しするイベントの盛り上げにも寄与してきた。
 プロジェクトでは新型ウイルスの影響で苦境に立つ中で、「今できること」を模索。今後も各店が工夫を凝らした料理やサービスなどを提供する「約束」を形にしようと、チケット(食事券)販売を企画した。
 賛同者が応援する飲食店を選び、その店舗で利用できるチケットを購入。2000円、5000円、1万円などのコースがあり、それぞれ10%分を上乗せしたチケットを手にできる。3万円以上のコースでは「おまけ」も用意する。
 チケット販売は、クラウドファンディングサイト「GoodMorning」(https://camp-fire.jp/projects/view/282365)で対応。申し込み時に、参加店舗の中から利用を希望する店舗を選ぶ。送付された引換券との交換で、来店時にチケットを受け取る形式とする。
 各店舗では7月18日(土)からチケットの引き渡しに対応する。有効期限は交換から6カ月間。1枚1000円のつづりとし、複数回に分けての利用も可能。同サイトでは、プロジェクト運営にかかる経費への支援もできる。
 今後も、地域活性化に貢献する意欲のある地元飲食店の参加を歓迎。夏場以降の出身者の帰省に合わせた利用にも期待を込める。
 実行委の新沼崇久委員長(49)は「今は営業をしつつも、収束後に最大限のもてなしができるように独自メニューの開発を重ねている状況。収束後に選ばれる店になるようレベルアップできれば、地域活性化にもつながる」と、狙いを語る。
 商工会議所青年部の小松真一会長(46)は「困っている皆さんの声を上げ、解決できる仕組みをつくったり、支援できる人々につなげることが大事。一人でも多くの方々に賛同してもらえれば」と話している。
 現段階の参加店舗は次の通り。問い合わせは新沼委員長(℡090・8928・5520)へ。プロジェクトページにつながるQRコードは別掲。
 北の味処 鰣不知、海山酒場、Noi Mare (ノイマーレ)、居酒屋 成功丸、活魚すごう、トラットリア ポルコ・ロッソ、大衆酒場 オオフナトのケムリ、サカリのアカリ、そば処 櫻亭、Another World Bar KEIJI、くいもんや わい、SANDWITCH BAR SANEN、四季旬菜 中村
 神菜月、三陸の味 高帆、焼肉冷麺 BeeBee、焼肉・韓国料理 かもめ商店、Cafe&Bar ルポゼ、生そば御料理 千秋庵、Bar&Cafe Robin、西苑飯店、御食事処 三平食堂、海の幸ふるまいセンター