佐々木投手の〝紹介〟励みに ファンへの質問回答で注目 「酢の素」「かもめの玉子」
令和2年5月31日付 8面

大船渡高校出身で、プロ野球・千葉ロッテマリーンズに所属する佐々木朗希投手(18)が登場した球団公式インスタグラムで取り上げられた大船渡の物産品に、注目が集まっている。半世紀以上の歴史を誇る「酢の素」は、県外からの引き合いが増えたほか、銘菓「かもめの玉子」にちなんだ質問への回答も。新型コロナウイルスの影響に苦しむ物産関係者も、再興への励みとしている。
佐々木投手は今月23日、球団公式のインスタグラムで、ファンから寄せられた54問に回答。尊敬している人やチームメートとのエピソード、寮生活に加え、大船渡のPRに関する質問もあった。
関東に来て恋しくなった食べ物の問いで登場したのが「酢の素」。「とっても酸っぱいです。一度、これに慣れたら普通の酢は物足りない」といったコメントを添えた。
「酢の素」を製造しているのは、大船渡市盛町の水野醤油店(水野勝平代表)。商店街沿いに構える同店はもちろん、気仙ではスーパーマーケットや産直施設にも並ぶ定番商品の一つ。商品としては50年以上の歴史を誇る。
翌日のスポーツ紙などで大きく紹介されると、普段は数日に1件程度という県外からの注文が、その日だけで10件ほどに急増。さらに、ロッテ球団の広報室からも注文が舞い込んだという。
ラベルには「濃厚」とあり、普通の酢として用いる場合は4倍に希釈することも記載しているが、酸っぱさを好みで変えられるのも特徴の一つ。漁業者の中では刺し身に直接かけて食べるなど、地元に定着しているが故に使われ方も幅広い。
水野代表とともに同店を営み、同高校出身でもある長男の一也さん(56)は「あのくらいの年代が、大船渡のメーカーであることをちゃんと知っていてくれたのがうれしかった。われわれも励みになり、大変ありがたい。ぜひ、日本一、世界一の投手になってほしい」と期待を込める。
また、大船渡の定番商品である「かもめの玉子」の質問にも答え、風味豊かな銘菓をアピール。商品を製造するさいとう製菓㈱の齊藤俊明取締役会長は「すごくうれしかった」と喜ぶ。
市観光物産協会の会長も務めており「新型コロナウイルスの影響で、物産関係者の多くが大打撃を受けている。大活躍してもらえれば、大船渡の知名度も上がる。活躍を祈りながら、さらに大船渡が話題になるよう頑張っていきたい」と、力を込める。