待望のウニ漁に活気 今後に期待込めながら作業 綾里、広田で初開口(別写真あり)
令和2年5月31日付 1面

大船渡市三陸町の綾里地区や陸前高田市の広田地区で30日、今シーズン初のウニ漁が行われた。朝焼けに輝く海に小型船が並ぶにぎやかな漁風景が広がった。漁業者は、漁が本格化する6月の水揚げに期待を込めていた。
綾里、広田とも今季初めての開口。綾里では午前5時30分の解禁時間になると、小型船で繰り出した漁業者が一斉に漁を始めた。
この日は早朝から青空が広がり、風もおだやかな一日に。漁では、箱メガネで海中をのぞき込みながら、黒々としたウニを水揚げしていった。
今月の漁には、ふた付きかご1個までの制限が設けられた。塩口秀男さん(52)は「きょうは場所が良かったから、早く上がれた。しけが続いたせいなのか、海藻の量がやや少ないと思った。新型コロナウイルスの緊急事態宣言も解除されたし、かご二つまで獲れる来月からが勝負」と力を込めた。
漁のあと、自宅や作業小屋などで家族総出の殻むき作業が行われ、肥えた黄色の身が次々と姿を現すと、マスク越しに笑顔が広がった。佐々木信吉さん(72)は「5月としてはまずまずかな。今後に期待したい」と話していた。
綾里漁協と広田湾漁協によると、この日の水揚げ量は綾里が445・9㌔、広田が390・8㌔。両漁協が参加し、14日に行われた気仙地区対象の生ウニ事前入札会では、1㌔当たり9300円~7700円の値がついた。
水揚げ期間を6月1~15日と設定した入札会は、26日に実施。広田湾(広田)、大船渡市(末崎)、同(赤崎)、綾里、越喜来、吉浜の各漁協が合計9・48㌧を上場し、価格は9880円~7800円となっている。
期間内の口開け回数は、広田が4回、末崎と赤崎が2回、綾里が3回。越喜来と吉浜も3回だが、いずれも専属2回、入会1回を計画している。