新型コロナウイルス/気仙圏域に「発熱外来」 PCR検査など実施へ 3市町の住民対象に
令和2年6月6日付 1面
大船渡市は5日、気仙圏域における新型コロナウイルス感染症に対応した「地域外来・PCRセンター」(発熱外来)を、7月中をめどに気仙圏域内に設置する方針を明らかにした。気仙3市町の住民を対象に、感染が疑われる場合など、かかりつけ医らの判断のもとでPCR検査などを行う。市は12日(金)開会予定の市議会定例会に、関連議案を上程する。
大船渡市が7月めどに設置
設置主体は市で、陸前高田市と住田町、気仙医師会、県立大船渡病院、県大船渡保健所が協力する。開設場所は、地域や住民混乱を防ぐため非公表としている。
対象者は気仙3市町在住の中学生以上で、かかりつけ医らが検査の必要性があると判断した人に限る予定。業務内容は問診や体温測定、酸素飽和度測定、PCR検査などを想定している。
発熱など感染が疑われる場合は、かかりつけ医が発熱外来につなぎ、診療や検体検査を行う。検体は民間の検査機関に送り、数日後に結果が判明する。
これまでは▽息苦しさ、強いだるさ、高熱などの強い症状のいずれかがある▽重症化しやすい人に発熱や咳などの比較的軽い症状がある──といった人は、保健所や県庁にある「帰国者・接触者相談センター」に電話で相談。「帰国者・接触者外来」で診察を受けるなどして、必要に応じてPCR検査を行う流れとなっている。
発熱外来の設置を巡っては、4月27日に開催された県と気仙の医療、各関係機関などで構成する「新型コロナウイルス感染症医療体制にかかる気仙圏域連絡会議」で、設置検討の方針を確認。
先月には気仙医師会が「気仙圏域への『発熱外来』設置に関する説明会」を、各市町・保健所が「発熱外来設置に係る検討会」をそれぞれ開催していた。
県大船渡保健所は、2月8日に「帰国者・接触者相談センター」を設置。先月24日までの発熱などに関する相談実績は296件で、一般相談件数は256件となっている。